第7話 農村の暮らし
トレッキングの帰り道、迎えの車との合流地点に向かうまでの森の中で何かを燃やしたような跡に遭遇した。これは何かとガイドに聞いてみたところ、近くの村で亡くなった人を火葬した跡だろうと教えてもらった。ラオスの村では基本的に亡くなった人は火葬され、自宅で遺骨を管理するらしい。しかし、例外的に火葬されずに土葬となる場合もあるという。たとえば交通事故や何らかのアクシデントで命を落としてしまった場合や、自殺などの場合には火葬はしないという。一方で、妊婦が不慮の事故で無くなってしまったような場合には、妊婦は土葬となるのだが生まれる前の赤子は取り出して火葬するのだという。こういった風習にはきっと仏教的な思想と深く結びついたものがあるのだろう。
また、農村部での暮らしについてもいくつか話を聞かせてくれた。たとえばラオスの農村部では多くの牛を見かける。以前は農耕用に活躍していた牛なのだが、最近はトラクターなどの普及によって農耕用としては活躍しなくなっているという。また、牛乳加工の技術がないため乳牛としての飼育はほとんどなく、ほぼ肉牛として飼育しているという。
途中で出会った子供たちとの会話をきっかけに、教育事情についても教えてもらった。ラオスの学校は無料ではないので、貧しい農村部の子供は学校に通うことができないことも多く、そもそも都市部から離れた農村には学校がないことも少なくないという。そういう場合には、男子であれば僧侶として寺に入ることで勉強の機会を得るのだという。今回ガイドしてくれた青年も地方の農村部出身だったが都市部の寺院に入ることで教育を受けたらしい。なんだか社会の授業を聞いているような気分だったが、こういった話を現地の人から聞けるチャンスはあまりないので、なかなかいい経験になった。
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