ロストブックと呼ばれる本の世界を冒険し、異能の源モジュールを持ち帰ることを生業とするのがブックダイバーだ。
熟練のブックダイバーであるアレックスと、パートナーのチヅルは、最高難易度のロストブックの探索に挑戦し、一人の女の子を現実世界に連れ帰ってしまう。
ロストブックから連れ帰った少女スーヤは、一日で数年分も成長したり、あっという間に知識を学習したりと、人のようで人ではない正体不明の存在。
当初はスーヤに戸惑っていたアレックスとチヅルだが、天真爛漫な美少女に育っていくスーヤに次第に愛着が湧いて本当の親子のようになっていく三人の関係に心が温まる。
しかし、スーヤはロストブックの中の住人が仕掛けた罠だった。お互いを想い合う三人を無視して、ロストブックから現実世界への侵略が始まってしまう。
本に入り込んで、その世界を冒険するという世界観が夢とロマンを感じます。本の世界から持ち帰った秘宝を使って作り出す、さまざまなアイテムも好奇心を掻き立てました。
親子の愛が世界を滅ぼすのか、それとも世界を救うのか。二つの世界を巡る冒険と戦争と家族愛を描く壮大なファンタジーです。
(「養父と娘の物語」4選/文=愛咲優詩)