Page10:ありがとうとトラッシュと最悪の開花

 ギルド本部を出て、馬車に乗る事無く、ただフラフラとセイラムの街を歩き続けるレイ。


「…………モヤモヤする」


 レイの心はただひたすらにモヤモヤしていた。

 先程の様にトラッシュと罵られる事自体は別に珍しい事でもなく、レイ自身も当に慣れてしまっている。

 だが今日は違う。最後にグローリーソードの男が放った言葉。レイではなく、その周りの人間を罵倒したあの言葉が、レイの心に言い表しようの無い後味の悪さを残していた。


「もっと……強くならなきゃな…………もっと……」


 濁り切った眼でそう呟きながら進むレイ。

 すると後ろから忌々しくも聞きなれた声が聞こえて来た。


「レーーーイーーー!!!」


 レイを追って来たフレイアだ。

 いつもなら全力疾走で逃げる所だが、今のレイにその気力は残っていなかった。と言うか、しつこすぎて最早力尽くで引き離す事を若干諦めていた。

 一先ずレイは立ち止まって、フレイアの相手をする事にした。


「……なんだよ。一人にしてくれって言っただろ」

「一つ伝えたい事があって」

「あん、仲間にはなんねーぞ」

「違うよ~」


 では何を伝えたいのか、レイには皆目見当がつかなかった。

 フレイアは真っ直ぐな目でレイを見、それを伝える。


「ありがとう」

「…………は?」

「さっき。ジャックとアリスがバカにされた時に、怒ってくれてありがとう」

「礼を言われるような事をした覚えは無いんだけど」

「そんな事ない。仲間がバカにされたんだ、ホントだったらチームリーダーのアタシが怒るべき場面だったのに、レイにそれを任せちゃった……だから、ありがとう」


 レイはむず痒さを感じた。人に罵倒される事は多々あれど、こうして感謝の言葉を言われるのには慣れていなかった。だからこそ、こう言う場面ではどの様な対応がベストなのかもレイには分からなかった。


「……そうか」


 素っ気無い返事だけを残して再び歩き始めるレイ。

 その後ろをフレイアがトコトコとついてくる。


「ついて来るなよ」

「いーじゃん、仲良くしようよ!」


 フレンドリーに接してくるフレイアだが、レイにとっては鬱陶しい事この上なかった。

 やはり何処か適当な場所で巻くべきか、レイがそう考えているとフレイアの方から質問が飛んできた。


「ねーレイ。ずっと気になってたんだけどさぁ、ってなに?」


 こいつ解ってなかったのか……レイは心の中で少し呆れた。


「……よい子は知らなくていい言葉だ」

「教えて」

「意味は分からなくても、レイがバカにされてるってのは分かる。アタシはそういうの我慢できないの」


 いつになく真剣な表情で訴えるフレイア。


「はぁ……トラッシュってのはな、要するに魔核が無い人間の事だよ」

「魔核が無いって……それだけ?」

「大事な事だ、特にこの街ではな」

「?」

「セイラムは良くも悪くも操獣者の街だ。魔獣と契約して操獣者になる事があたり前であり普通の世界。操獣者である事が至上であり絶対って考えてる奴も多いんだよ」


 具体的には先程のグローリーソードの面々がいい例だ。あれは決して彼らが特別歪んでいるのでは無い。彼らと同等の考えを持つ者は街にも、そしてギルドにも少なからず居るのだ。


「底辺操獣者にもなれない産業廃棄物以下のゴミ、だからトラッシュって言うんだ」

「……なに、それ」


 レイの説明に絶句するフレイア。恐らくはセイラムシティの光の部分ばかり見て来て、暗部には触れた事が無かったのだろう。

 夢を壊して申し訳ないがこれも現実だ、この流れで大事な忠告もしようとレイは話を続けた。


「いい機会だからこれも言っておく。この街で蔑まれるのはトラッシュだけじゃない、トラッシュに関わる人間も漏れなく侮蔑の対象だ」

「もしかして……仲間にしても得が無いって……」

「そういう事だ。さっきの奴ら見ただろ、俺を仲間にしたところでチームにはデメリットしかない。剣ならちゃんと作ってやるから、あまり俺に関わるな」


 流石にこれだけ言えばフレイアも理解して離れていくだろう。

 そう考えたレイの予想に反して、何故かフレイアは笑みを浮かべていた。


「…………なんだよその顔」

「レイってさ、優しいんだね」

「……ハァッ!?」


 フレイアの反応が予想外すぎて、レイは思わず変な声が出てしまう。


「さっきもそう。なんだかんだ言ってレイって自分よりも周りが傷つく方が嫌なんだよね」

「……」

「だから自分が傷つく事よりも、ジャックやアタシ達が傷つく事の方に怒る。それってさ、すごくヒーローっぽいと思うな」


 ヒーローっぽい。フレイアの口から出たその言葉を聞くと、レイの中で蠢いていたモヤモヤとした感情がゆっくりと霧散していった。

 身体の中で心が軽くなる実感を、レイは感じ取っていた。


「ヒーロー……かぁ……」


 無自覚の内にレイの頬が僅かに緩むのをフレイアは見逃さなかった。


「あ、笑った」

「ッ!?」

「レイが笑ってるとこ初めて見たかも」

「やっぱお前黙ってろ!」


 顔を真っ赤に染めて意地を張るレイ。


 気が付けば二人は、ギルド本部から随分離れた場所まで移動していた。

 活気のある人々の様子が目に入ってくる。ここは商店等が建ち並ぶ繁華街だ。

 レイが特別関心を持つこと無く進んでいると、ふとフレイアがある行列に興味を示した。


「お、新作やってんだ」


 フレイアが視線を向けた先に在ったのは、街の小さな劇場だ。行列の正体は演劇を見に来た客のようだ。

 レイは何気なしに劇場に掲げられた演目の看板へと目をやる。


「【ヒーロー伝説~エドガー・クロウリーの戦い~】ねぇ……捻りの無いタイトルだな」

「そっか?アタシは王道で好きだぞ」


 フレイアの言う通りだった。

 実際セイラムでは【ヒーロー】は定番の題目であると同時に、流行のジャンルでもある。特に今は亡き先代のヒーロー、エドガー・クロウリーを題材にした演劇は満員御礼が常である。

 列に並んで劇を心待ちにする人々の姿を、レイはどこか冷めきった眼で見ていた。


「ねー、レイはヒーローって好き?」

「は?」

「アタシは好きだな。強くてカッコよくて、すんごく優しいヒーロー」

「…………どちらかと言えば好きだよ」


 レイの小さな返事に目を輝かせて食いつくフレイア。


「だよねだよね! 憧れるよね!」

「随分大層に憧れるんだな」

「夢だからね、ヒーローになるの!」

「へぇ、舞台上で美化されてるような英雄様になりたいのか?」

「む〜、なんか棘あるな〜」


 ぷくっと頬を膨らませるフレイア。


「悪を討って弱きを救う、強くて優しいヒーロー! アタシはそういうヒーローになりたいの!」

「そうだな、舞台の上ではそういう風に描かれてるな……けどなフレイア」


 レイは自嘲するような表情を浮かべて、フレイアに告げる。


「お前が憧れているヒーローってのはな、今お前が口にしてきた『妄信』ってやつに殺されたんだぜ」


 再び歩き出すレイ。フレイアはレイが発した言葉の意味を理解しかねた。


「殺されたって……どういう事?」

「言葉の通りさ。強すぎる力と実績は民衆から妄信を生み出す。あの人なら勝てる、あの人なら絶対大丈夫……そう言う歪んだ信仰を使って、助けを求めたヒーローを見殺しにしたんだ」

「…………」

「ん、夢でも壊れたか? 悪いけどこれが現実だ。信じる信じないはお前の勝手だけどな」

「ん~~、レイは嘘つくような奴に見えないから信じるけど……」

「(言った本人が言うのもアレだが、簡単に信じすぎだろ……)」

「……詳しいんだね。もしかしてマニア?」

「……色々あったんだよ」


 思い出したくない事がレイの頭を過る。

 フレイアの顔を見ない様に進み続けると、周囲の音が鮮明にレイの耳に入り込んでくる。

 商店の多い地区なので、客を呼び込もうとする商人たちの大きな声が聞こえてくる。


「お、そこのお兄さん! 綺麗に輝く永遠草えいえんそう、お一つどうだい?彼女さんへのプレゼントに」


 通りすがった花屋の店主が、美しい光を纏う花を片手に声をかけてくる。

 フレイアを彼女だと思われた事もあるが、店主がススメて来た花がフレイアと出会った場所に咲き乱れていただったのでレイは心底不快な顔になった。


「悪いけど遠慮しとくよ。後コレはただのストーカーだ」

「失礼な! 未来の仲間だぞ!」


 花屋の営業を華麗にスルーするレイ。

 一方フレイアは歩きながら振り向いて、花屋が持っていた永遠草に関心を寄せていた。


「なんだ、光り輝くお花が好きなのか?意外と乙女趣味?」

「違う違……って、意外とって何さ意外とって!?」

「意外な事にパワー系ゴリラじゃなかったんだな」

「なにおう! パワーこそジャスティスだ!」

「そうですかい……」

「そうじゃなくて!あの永遠草って花、割とその辺に生えてるよね。何で態々売ってるんだろ?」


 恐らく八区の森の中で見た光景を指しているのだろうと、レイは思った。


「あれが自生してるのは八区だけの話だ。この辺りじゃ基本的に自生出来ないからだろ」

「でもセイラム中で見かけるよ」

「それは植木鉢に植えたやつだろ。花弁が綺麗に光るから、プレゼントやインテリアとして3年くらい前から流行してるからな」


 そう言ってレイが周囲の建物を少し見やれば、輝く花を植えた植木鉢がいくつか視界に入ってくる。

 永遠草。3年前からセイラムシティに船で輸入されるようになった魔法植物。

 魔法植物と言ってもボーツとは違って害は無い、ただの観葉植物でる。

 特徴は幾色にも光り輝く花弁と、栄養源であるデコイインクの補給が続く限り枯れず根を伸ばし続ける性質。無限の時を生きる植物、故に永遠草なのである。


「それにアレは結構な量のデコイインクを吸い取るから、八区くらいじゃないと自生できないんだよ」

「そうかな?割とどこにも生えてる気がするけど…………あ、ほらアソコとか!」


 そう言ってフレイアが指さした先はなんて事の無い路地裏。少し違う点があるとすれば、建物の影で暗い筈なのに意外と明るい事だ。

 レイは目を凝らしてその路地裏をよく見る。影を光で消していたのは輝く花、先程から街中で散々見ている永遠草であった。

 永遠草の光で道が照らされる。最近のセイラムでは珍しい事では無く、これも例外ではないだろう。

 ただし、その永遠草が地面から生えている事を除くが。


「ほらね。生えてるでしょ……レイ?」

「……なんで」


 フレイアの言葉は耳に入らず、顔面を蒼白させるレイ。

 大抵の者は此処で永遠草が自生していても気にも留めないだろう。しかし、その性質を知っている者であれば話は別だ。

 レイは慌ててその路地裏に駆けこんだ。


 路地裏に入るや否や、レイは地面から生えている永遠草を一本力いっぱいに引き抜いた。

 無理矢理引き抜かれた永遠草は根っ子が千切れており、その断面からは鈍色の液体を漏らしていた。


「レーイー、いきなりどうしたの?」

「……デコイインクだ」

「デコイインク?それがどうしたの?」

「永遠草が自生出来る程のデコイインクが、この下に有るんだよ」

「いやいや、セイラムはデコイインクの産地なんだから有るのは当然でしょ」

「それは八区の採掘場に限った話だ。この辺の土地にはそこまで多くのデコイインクは無い」

「でもデコイインクが有るなら永遠草が生えるのもおかしくは――」

「そうだな。ここの地中にデコイインクが有る、だから永遠草が自生している。何も不自然では無いな」


 だが問題はそこではない。

 レイは千切った永遠草の根っ子をフレイアに見せる。


「大量のデコイインクを必要とする永遠草の根からインクが漏れ出てる。それだけ大量のインクが地中を流れてるって事だ」

「へー」


 察し悪く能天気な返事をするフレイアに呆れるレイ。


「フレイア、今この街ではボーツの発生が問題になっているが……ボーツの発生条件は分かるよな?」

「それくらい知ってる! 土の中を移動する胞子とデコイインクが混ざって出てくる――」


 そこまで言うと、フレイアは顔をハッとさせた。

 レイが何を言おうとしているのか、これから何が起こるのかを理解したのだ。


「永遠草が咲いたらデコイインクがいっぱい。つまりボーツが出てきてヤバい」

「語彙力」


 だが正解だ。

 デコイインクが大量にあれば永遠草は自生できる。そしてデコイインクが大量にあればボーツの発生も可能になるのだ。


「こんな街中で永遠草が生えているって事は、何時ここらでボーツが出てきてもおかしくないって事なんだよ」


 路地裏の道を見渡すレイ。自生している永遠草は今引き抜いたものだけでは無かった。

 獣道を照らし出す様に、道なりに満遍なく咲いていた。


「なんか、結構生えてるね……ってレイ、ちょっと待って!」


 レイは何も言わず永遠草が咲いている場所を辿り始める。フレイアは慌ててそれについて行った。


 あまり人の寄り付かない場所だからか、お世辞にも道は清潔とは言い難かった。

 ゴミや汚物が鼻を刺激してくるが、そんな事は気にせず永遠草を辿り続ける。途中でフレイアが鼠の死骸を踏んで悲鳴を上げたが、レイは気にしなかった。


 しばらく進むと路地裏を出て、開けた場所に出て来た。

 第六地区の噴水広場であった。噴水の周りでは人々が一時の休息を取っている姿が目に入る(主に男女のカップル)。


「へ~、セイラムにこんな場所あったんだ」

「この辺はカップル御用達の場所だからな。独り身には縁のない所だ」

「確かに。あっちもこっちもお熱いね~」


 ヒューヒューと口笛を鳴らしながら周囲を見渡すフレイア。そんなフレイアを尻目に、レイはひたすら周りの地面を観察していた。

 路地裏を出ると同時に永遠草は一旦途切れたが、周辺にも存在しないとは限らない。レイが少しずつ視線をずらしていくと、噴水の近くに二~三本生えているのを見つけた。

 同時にフレイアも「あっ」と声を上げ指をさす。


「レイ。あれ生えてるよね」

「あぁ、生えてるな」

「こう人の多い場所でだと……マズいよね」

「何時発生するかは分らんが、よろしくは無いな」


 流石にこの状況を放置する訳にもいかないと判断したフレイアは、巡回担当の操獣者を探して知らせようとする。レイも賛同した。

 だが、二人が行動に移そうとした次の瞬間。

 噴水付近の地面から鈍色のインクがゴポゴポと湧き出始めた。


「ねぇレイ。あれはもっとマズいやつだよね?」

「あぁ……最低のタイミングで最悪なやつだ」


 レイの言葉を聞くなり、フレイアは息を大きく吸い込み、そして…………


「みんな逃げろォォォォォォォォォ!!! そこ、ボーツが出るぞォォォォォォ!!!」


 力いっぱいに叫ぶ。

 大きく叫んだフレイアの声に気づいた民衆たち。インクが湧き出ていた場所に近かった者たちはすぐにその異変に気づいた。

 気づいた者たちが顔から血の気が引いた瞬間。地面から灰色の人型、ボーツが一斉に姿を現した。


「ボッツ! ボッツ!」


 特徴的な鳴き声を上げて周囲の人間や獣に狙いを定めるボーツ。

 突然の出来事に人々は混乱し悲鳴を上げて、我先と逃げ惑い始めた。


「ヒッ!」

「ボォォォォッツ!」


 混乱の最中、逃げ遅れた女性に一体のボーツが襲い掛かる。

 鉤爪状に変化させた腕を振り下ろし、獲物の肌を無残にも引き裂こうと企むボーツ。女性は思わず目を閉じる……が、その鉤爪が女性に到達する事は無かった。


「ギリッッッ、セーフ!!!」


 ボーツが振り下ろした腕を、レイは剣撃形態ソードモードにしたコンパスブラスターで受け止めていた。

 目の前の光景に、考えるより先に身体が動いてしまったのだ。


「早く逃げろ!」

「は、はい」


 顔に恐怖心がこびりついたまま、女性は一目散にその場を逃げた。


「さーて。マズいな」


 女性を逃がす事に成功したは良いが、変身せずに突っ込んだせいでレイは碌に身を守れない状態になっていた。

 一先ず切り払いで距離を取り態勢を立て直す他無い。


「ボ~~ッツ♪」

「ヤベッ!」


 レイが距離を取ろうと考えた次の瞬間。ボーツはもう片方の腕を槍状に変化させて、喜々としてレイの身体に狙いを定めた。

 変身していない今の身体で攻撃を喰らえばタダでは済まない。レイは全身から血の気が抜けていく感覚に襲われた。


「ドォォリャァァ!!!」


 間一髪。ボーツの腕がレイの身体に触れる寸前に、フレイアの飛び蹴りがボーツの身体を吹き飛ばした。


「大丈夫!?」

「大丈夫、ってか反撃の邪魔すんなよ!」

「またまた強がっちゃって~」


 バツの悪い顔になるレイ。

 ボーツは今さっきフレイアが蹴り飛ばした一体だけでは無い。粗方逃げたとは言え、周囲にはまだまだ人が残っており面倒な状況に変わりは無かった。


「ざっと見るだけも六体くらいいるな」

「これだけ騒ぎになってるんだから、巡回の操獣者も来ると思うけど……呑気に待っているのは性に合わないんだよね~」


 そう言うとフレイアはグリモリーダーと赤い獣魂栞を取り出して構えた。


「ボーツを撃破しつつ、逃げ遅れた人たちの避難誘導もする。できるのか、フレイア?」

「そういう器用な事はできないから……逃げ遅れた人たちに近づく前に、ボーツを焼き切る!」

「雑だなぁ」

「だからさぁレイ。半分力貸してよ」


 手柄を半分譲ると言われているようでレイは若干癪に思ったが、うだうだ文句を言っている暇がない事も重々理解していた。


「共同戦線とか癪なんだけどな」

「いいじゃん。仲良しの第一歩♪」


 フレイアの「仲良し」発言をスルーしつつ、レイはグリモリーダーと鈍色の栞デコイインクを取り出した。


「俺もそこまで器用な事はできないからな、好きにやらせて貰うぞ!」

「オーケー…………それじゃあ、行くよイフリート!」

『グォォォォォォ!!!』


 手に持った栞を、レイとフレイアは同時に構えて呪文を唱える。


起動ウェイクアップ:デコイインク!」

「Code:レッド、解放ォ!!!」


 レイの栞からは鈍色のインク、フレイアの栞からは真っ赤なインクが滲み出てくる。二人は間髪入れず、手に持った栞をグリモリーダーに挿し込み操作十字架コントロールクロスを操作した。


「デコイ・モーフィング!」

「クロス・モーフィング!!!」


 偽装・魔装同時変身。

 グリモリーダーから解き放たれた魔力がレイとフレイアの身体を包み込み、その姿を変えていく。

 レイは灰色の偽魔装に、フレイアは赤色の魔装に身を包んだ姿に変身した。


「オッシャ! 行くぞォ!」

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