将樹の告白(10)

 奇妙な生活が始まった。


 絶対に素手で将樹に触れないという条件で手の縛りが解かれた。


 初めは寝室だけだったのがすぐにどの部屋にも自由に行けるようになった。


 朝も、昼も、夜も狂ったように将樹は來夢の体を求めてきた。


 2人ともほとんど半裸のまま1日を過ごした。


 セックスの間に食事をし、セックスの間に眠るような生活だった。


 眠るといってもそれは來夢だけで将樹はほとんど寝ていないようだった。


 この異常な状態に1番興奮しているのは将樹自身なのだろう。


 何日間も寝ずに來夢を抱き続ける将樹の目は落ち窪み、顔には疲れが見えていたが、将樹の下半身はどう猛な動物のようにいきり立っていた。


 まるでそれが來夢を監視し、支配してるようだった。






「俺たちこのまま結婚しようよ」


 将樹が本気とも冗談ともつかない調子で訊いてきた。


「いいよ」


 來夢が応えると、いきなり将樹は手に持っていたマグカップを投げつけた。


「嘘つくな」


 來夢の横でカップが壁に当たって割れる。


「來夢が俺を愛しているはずかない。來夢が愛しているのは雪也だ、あいつだ、ずっと昔からあいつだ

 将樹は噛みつくようにキスをしながら乱暴に來夢の足を押し開いた。


 強引に将樹が押し入ってくる。


 來夢の口から声が漏れた。


 自分でも信じられなかった。


 それまではただの苦痛と屈辱でしかなかったのに。


 でも確かに來夢の中心が快感で疼いた。


「來夢、來夢」


 将樹は來夢の耳元で名前を呼びながら激しく腰を動かした。


「來夢愛してる」


 來夢のそこは充血し将樹を強く締め付けた。


「愛してる來夢」


 将樹が來夢の奥をえぐる。


「愛してる」


 快感が大きな渦となって上がってくる。


「愛してる」


 将樹が深く突き上げる。


 來夢の目から熱いものが溢れた。


 それは來夢がずっと欲していたものだった。


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