雪也との想い出(7)


 7月15日


 今日はビックニュースがある。


 わたし初めて雪也に触れた。


 雪也には絶対に触れたくないと思っていたけど、そんな感じで触れたんじゃない。


 今日の夜2人で近所を散歩した。


 途中コンビニでアイスを買って歩きながら食べた。


 アイスを持っていない方の手で手を繋いだ。


 急に幸せがこみ上げてきてわたしが雪也の手をぎゅっと握ると雪也はぎゅっと握り返してきた。


 急にどうしても雪也の体温を手に感じたくなって手袋を外した。

 

 雪也は『大丈夫なの?』って顔をしたけどわたしはそのまま手を繋いだ。


 温かく心地よい痺れが手の平から伝わってきてわたしの全身を埋め尽くした。


 雪也がわたしに見せた映像は愛で満ち溢れていた。


 こんなにも愛されているんだって、涙が出そうになった。


 もう何年も手袋を外して人と手を繋いでなかった。


 その何年ぶりかが雪也で本当によかった。


 こんな素敵なものを伝えてくれてありがとう。


 雪也も緊張していたのか、手にびっしょりと汗をかいていた。


 ずっとわたし達は手を繋いでいた。


 セックスができないことにこだわっていたのが馬鹿みたいに思えた。


 そりゃできればしたいけど、そんなことよりももっと大切なことがある。


 実はわたし雪也を全部覗いてみたんだ。


 雪也の全てを。


 雪也に変なところは何もなかった。


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