じゅっ粒め。

 ヨムした。

 偽田中一郎氏の『ガルガンチュワの小人』を。

→ https://kakuyomu.jp/works/1177354054887445274

 むずかしいテーマを童話風に丁寧な筆致で描かれており、日本人の好みに合致していた。

 ずいぶん前から、日本人はシリアス路線や悲しみをつづった話が優勢で、コメディーは分が悪かった。

 これは公募の話。

 カクヨム作品では珍しい(?)。

 プロローグは主人公が死んでから、己の肉体を取り戻す、転生の物語。

 続き、今度はヒロインが主人公を訪ね歩いて墓までたどり着く話。

 どちらにせよ、触れ合えない、という問題は解決してない。

 これを愛の孤独とわたしは呼ぶ。

 なんだか、ネットで恋人探しをしていたら、全てはVRでしたマル、という感じもしなくはない。

 なんとなくだが。

 時代を象徴しているようで、無視できない。

 そういう力を持った作品だと思った。

 あ。

 ところで、この方は以前拝読した作品で、バトルを華麗に描かれていた。

 後で「む、勉強になる……」とは思ったが、華麗すぎてどこをどう、自分の中に取り入れたらいいのかわからなかった。

 おそらく、実力に差がありすぎて、理解がおっついてないのだ。

 なぜ、このバトルシーンが華麗だと思ったのか? そこの分析ができてない。

 ヒーローがかっこよく敵を倒す、これはもう必須。

 危なげなく素早くやっつけてしまう、これはWEB作品では鉄板だが、ヒロインの介入がある。

 歌だ。

 ヒロインの彼女としてのアイデンティティーはアイドル歌手だ。

 だから、主人公の危機に際して、歌で援護する。

 敵はボスエネミーと称されるつわものであるが、なぜかその歌声に攻撃の牙を止める。

 一瞬のそのすきを突き、主人公は勝利する。

 うん、これだ。

 この流れがスマートでかつスカッとするから、華麗だと感じたんだ。

 ヒロインとの絆も深まったし、このバトルにはそういう意味がある。

 逆に意味のないバトルシーンは入れたってしかたがないのだ。

 

 勢いに乗って敵を征服しようとして、逆に押され、防戦一方になる。

 そこへヒロインの神秘的な歌。

 おかげで主人公は圧倒的勝利をおさめる。

 現実に戻り、その歌をネットできいたとき、主人公はどう感じただろう。

 どこか懐かしい、とは書いてあったが、わたしの中では「この歌は……」で、言葉が出てこなくなる。

 読者にそう思わせてくれるのだから、この作品は良作だ。

 魅せるところは魅せるし、意味のない描写は一つもない。

 パーフェクトだ。

 むしろパーフェクトであるがゆえに、マネできるもんではない。

 この描写は、作者が呼吸で書いている。

 ごくごく自然に、ご自分のスタイルで。

 であるならば――わたしが学ぶべきは、この勇壮な物語の一部分ではなく、この作者の生きてきた道――人生観である。


 結論が出たZO!


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