第1話 俺が助けようとしたヒロインは……(4)
「 変 ☆ 身 ! ! ! 」
少女のその言葉を音声認識した端末の画面に、「 起 動 」の文字が浮かぶ。
そこからゲートを開くように両腕を左右に引いて顔をのぞかせる。機敏に、かつ大胆に。
次に右手を裏返し、右腕を縦にした状態で端末画面を顔に向ける。左手は右の腰骨のあたりに添える。正面から見ると顔の左半分が端末を持った右手で隠れた状態だ。
すると端末の画面上部に搭載された3Dカメラが瞬時に対象者の全身をスキャン、最適なスーツ形状を計算する。計算結果は……。
"FIT RATE: 100% !!! IT'S PERFECT !!!"
「なん……だと……!?」
端末のAIアシスタントの声を聞いたユウキは目を丸くした。いつも自分が変身するとき、どうやっても95%を超えることはないのに――。
そして画面から無数の黒い帯状の光学迷彩が飛び出し、少女を円筒状に包み込む。帯は脚と腕に、胴に、頭部の周囲に、巻き付いていく。そして全てが完了したとき、
新たな
「ば、ばかな……!どうしてあのポーズを!?しかも俺より適性が上だと……!?」
怪物よりもユウキのほうが100倍は混乱していた。
「まさかこんな小娘の相手をすることになるとはなァ……。ま、どうせすぐに倒せちまうだろうからよ、名前ぐらい聞いておいてやるぜぇ?」
少女は、――「チュートリアル」と題してヘルメットの視界に表示された――決め台詞を、力強く叫んだ。
「邪悪を払うは業火の炎、熱く燃やすは己の心!!
私は……
いいえ、今は正義の戦士、
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