第一話 お姉さんの最悪の二日間

side A 最良の門出の日になる……はずだった

 朦朧とした意識が覚醒を始め、ぼんやりと自らの状況に意識を向ける。

 身体に触れるのはざらついたアスファルト、その上に腰をくの字に折って横になっている。

 空気には強い潮の匂いと突堤の縁に当たって鳴る波の音。


 ――― え………な、に、わ、私、どういう……


 イオは言葉を口にしようにも、喉が詰まって思うように声が出ない。

 ふと、人の気配を感じて視線を上げる。

 頭からずぶ濡れの少年が身を屈めてイオの顔を覗き込んでいる。


 スラリとした痩せ型で淡いブラウンの髪、同じく淡いブラウンの瞳。

 濡れた髪が纏わりつく額には角が丸い三角形のプレート。

 少年はおもむろに口を開いた。


「自分の名前、分かる?」


「え……っと、ミ、ミナミ、イオ……」


 酷い頭痛、鼻と喉の痛み。少年と同じように濡れて重くなった髪と服、冷えた身体。

 そして――― 大きくはだらけられたブラウス、大気に露出する胸。

 マスキングポリマー製ブラからはみ出した秘密のパッド。


 ――― は、はあっ? な、なんで私、こんな、む、胸、晒してるのっ!



 遡ること、数時間前―――





◆◇◆





 二一三一年。四月初旬某日、イオ・ミナミ二十三歳。

 この日、イオは『異重力分析官』として初めて超研対ヨコスカ基地に出向する。


 ――― ついに来た。この日を夢見て三年かかった。


 イオは心の中で意気込んだ。

 鼻歌混じりに南向きの窓を開け、大きく息を吸って深呼吸をする。

 雲ひとつない快晴下、視界いっぱいの天蓋はどこまでも碧く澄み渡っている。


 ――― いやぁ天気も上々、実に気分がいい。なんて私のハレの日に相応しいんだろう。


 イオはベッド上に投げ置いていたカード型情報端末を手に取る。続けて局員証を呼び出し、出向先の名を声に出して読み上げた。


「東アジア相互防衛条約機構、超常知性構造体研究対策局。略して〈超研対〉。うん、長い」


 超研対一課第五、アーメイド専用揚陸艦ヘパイストス。

 本日よりイオが働く新しい職場である。


 イオは出勤前の身支度を確認し、部屋の壁に埋め込まれた姿見に自らを映す。

 真新しいスーツに新しい杖。杖は双子の弟達からプレゼントでネオカーボンの特注品だ。

 スカートの裾から覗くのは、不自由な右脚を補助する電動アシスト付き下肢装具。

 杖は下肢装具とお揃いのブロンズカラーにメーカーロゴが踊るお洒落なデザインで、持ち手には名前の『IO』が刻まれている。


 十年前、ビル火災崩落事故に遭って両親を亡くし、負傷が原因で右脚に麻痺も残った。

 だが、弟達が真っ直ぐ育ったのは優しい叔父夫婦とこの脚のおかげ、と不自由であっても自らの右脚を憎からず思っている。


『姉ちゃん、杖で無闇に人をぶん殴っちゃダメだからね』

『杖は孫の手じゃないから、物取る時はちゃんと立って』


 ――― ううむ、ちょっと生意気なのは不徳の致すところではある……


 イオは愛する弟達との少し残念な回想する。


 イオは充電を終えた下肢装具のパワーボタンを押す。軽やかな起動音と共にアシストが開始され、存在感が増した右脚にワンサイズだけ大きい靴を履く。

 スリムでシンプルなデザインの下肢装具は、遠目では凝った柄のストッキングにしか見えない。目立たないとは言わないが、合わせる服に困らないイオのお気に入りである。


 長かった髪を切ったばかりで襟元が涼しい。

 イオは姿見の前でお気に入りのポーズをいくつか決める。

 SNSに上げる自撮り写真を今選ぶと遅刻するので後回しだ。


 ――― ショートボブの私、割とイケてんじゃんっ!


 イオは鏡の中の自身の姿を自賛する。

 大雑把な性格が災いして胸の『イ重力研究科学局』のバッジが曲がっている。


 近隣の桜はすでにピークを迎えて散り始めているが、ほんの少しだけ空気にその香を残す。

 爽やかな風と穏やかな陽射し、お誂え向きに晴れ渡った空。

 イオにとって、最良の門出の日になる……



 はずだった。




***




 イオは初出勤に備えて泊まっていたビジネスホテルをチェックアウトし、ホテル前の沿道を流していた橙色のワゴン車、個人タクシーを捕まえる。

 後ろのドアが開くと前席に座る初老の男性が振り向いて会釈する。運転管理者である。

 イオがまだ小さかった頃には無人の自律運転タクシーもあったが、現在は法規制により有人のタクシーしか公道を走っていない。

 運転管理者は車両に搭載された『演算思考体(Arithmetic Think Intelligence)』通称〈ATi〉の運転を監視し、運行計画を承認するだけ。つまり運転をする訳ではない。

 イオは下肢装具の世話になる身ながら、慣れた脚運びでタクシーに乗り込んだ。


「えっと、横須賀海軍施設の近くの、超研対の基地って…… 分かります?」

「ああ、ヨコスカ基地ね」


 イオが運転管理者に行先を告げると、音声入力によってインパネの端末――― 演算思考体ATiが運転計画を導き出す。運転管理者はそれを確認し、端末の承認キーを操作する。

 運転管理者が操作を終えてタクシーが発車したその時、「ドンッ、ドドンッ」と遠くで爆発音が連続して鳴り響いた。車内でも聞こえるそれは決して小規模のものではない。


「えっ、今のなに? もしかして爆発?」


 イオが独り言を口にすると、今度は胸ポケットの中でカード端末が警報音を鳴らし始める。端末背面のサブディスプレイには警報の内容を説明するテロップが流れた。


《現在、横須賀市周辺で『暴走メタスクイド』が一体出現。超研対一課第三テーセウスが対応に当たり、所属アーメイドが追跡中》


 昨日深夜、東京湾は磯子付近に降下した五百メートル級の超常知性構造体〈メタストラクチャー〉、その支配下から外れた暴走メタスクイドだ。


 メタスクイドとは全長が三十メートル近く、長く鋭い三角錐状の黒々とした胴体に六本の『銛状触手』と呼ばれる遠隔攻撃の手段を持つ彼ら唯一の保守防衛装置である。

 海生軟体動物のイカに似た姿形から『超常の烏賊』、通称〈メタスクイド〉と呼ばれ、現在の進化段階は『C型』と認定されている。

 暴走メタスクイドは行動に規則性が乏しく予測困難であり、出現の予兆である『重力震』が伴わない。それにより避難勧告などが遅れることから、主人と同様に危険な存在と認識されている。


「なぁんで選りに選って今日っ、私のハレの日なんだけどっ、もうっ!」


 イオはカード端末に向かって盛大に文句を口に出してしまう。

 タクシーには運転管理者も乗っていることをすっかり忘れている。だが、当の運転管理者はタブレット型の端末で副業中のため我関せず。見慣れた光景である。

 しばらくして、イオのカード端末に『エリックおじさん』から着信が入る。


『イオちゃん、まさかこっちに向かってないよね?』


 イオの父が生前、医科系の大学で研究職に就いていた頃の助手、要は昔馴染みだ。

 フルネームはエリック・シャーウッド。痩せ型長身のちりちり髪、眼鏡の三十二歳男性。無精髭で猫背、如何にも研究者然としたエリックの風貌を想像しながら応答する。


「ああ、エリックおじさん? いやぁ、ははは、向かっちゃってます……」

『しょうがないなあ、昨日の重力震は知ってたよね? こんなことも起こるって、研修で教えているはずだよ?』


 やや高い掠れた声の主は焦った調子で捲し立てた。


「えへへ、あれ東京湾でしょ。必ず北上するからこっちには来ないだろうって……」


 イオはカード端末を相手に愛想よく返す。

 エリックはイオがこれから赴任する先での先輩でもある。


『東京湾と言っても磯子だよっ! まったく君は昔っからテキトー過ぎるよねえ』


 通話口のエリックの後ろ、僅かに耳障りな低い反復音が聞こえる。

 どこで通話してるんだろう? とイオは応対しながら考える。


「あはは、ええっと返す言葉もございません……」

『もう分かった。近くまで来たら連絡してねっ、ダメだと思ったら引き返すんだよ? ああ、それと、僕はまだ『おにいさん』だからねっ、『おじさん』じゃないよっ!』


 ――― 慌てている割に、どうでもいいことを訂正するなあ、エリックおじさん。


 最後の独白が示す通り、自省する気は今のところない。





 タクシーが横須賀海軍施設に隣接する超研対ヨコスカ基地に近づくと、基地沿岸の埠頭に建設された赤い鉄骨が特徴的な着艦ドックに囲まれ、勇壮な姿を晒している大柄な艦影が見える。

 重力制御の航空艦、アーメイド専用揚陸艦ヘパイストス。イオの出向先だ。


 全長は二百メートル近く、外観は原油タンカーによく似ている。全体が真っ白でペイントされているが増改築の痕跡らしき凹凸が多く、決して新しくは見えない。

 重力干渉技術によって推進力を得るイ重力制御エンジンを六基を備え、艦上に背が低い箱型の突起、艦首と胴体横にプラズマカノンの短い砲身が合計八門が突き出ている。

 胴体の横腹に走るカラーライン、淡いグレイの太いラインと青・黄緑・黄の細い三本のラインは、主に関東圏沿岸部の防衛を任務とする『超研対一課第五』のシンボルカラーだ。


 そのヘパイストスからも一課第三と同じ機体のアーメイドが一機出動した。鑑と同じく機体には白地にグレイ&黄緑のカラーラインが入っている。

 ヘパイストスの艦上面、箱型の突起より前方に大きな四角い開閉口が開き、そこから風船がふわっと浮き上がるようにアーメイドは現れた。

 続いて、機体の下部に繋がれた巨大な三角錐――― イ重力制御エンジンの先端近くに発光する光輪が現れ、機体の背面に備えられた加速スラスターが青い焔を吐き始める。

 爆音を轟かせて加速を開始したアーメイドは、高層ビルが立ち並ぶ横須賀市街に機首を向け、真っ直ぐ白い尾を引いた。


 正式名称『高速狙撃機動兵器 AMD171』通称〈アーメイド〉。

 同じく重力干渉制御を用いて飛行する複座型の航空砲台である。

 ジュラミック積層装甲に覆われた翼断面形状のT字型ボディ。

 T字型両翼のロボットアームにはプラズマガン及び高周波振動ブレード。

 T字型上部の右肩には最重要戦術兵器、アンチグラヴィテッド専用電磁レールガン。

 時空歪曲防壁〈IVシールド〉を突破する、現時点で最も高効率な対抗機動兵器だ。


 ――― うーん、あれに私は乗るのか。それにしても凄い音。


 イオはタクシーの窓からアーメイドの飛び去る姿を眺め、ぼんやりと考える。

 研修時の訓練機には武装が施されておらず、加速スラスターも小ぶりだったので記憶に残る印象とは随分と違ったからである。

 その『人魚』を連想する姿から『Armed〈武装〉 + Mermaid 〈人魚〉』を略して名付けられたアーメイドだが、イオにはそのネーミングがどうにも腑に落ちない。


 ――― 人魚と言うよりはロブスターだよねえ。


 対抗車線は超研対ヨコスカ基地に近づくにつれ渋滞し、遅い徐行速度を余儀なくされている。イオが乗るタクシーは基地に入る直前の陸橋、その手前で停止した。

 運転管理者は端末としばらく格闘していたが、諦めて後席のイオに振り向いた。


「お嬢さん、ここから先は『エー・ティー・アイ』が許してくれないから無理だよ」

「えええっ、あとちょっとなのに………」

「ごめんね、無理なものは無理」

「え………」


 演算思考体ATiは拒否を始めたら梃子でも動かない。イオは止むを得ずタクシーを降り、残りの道は徒歩を選んだ。目的地の超研対ヨコスカ基地はすぐ先まで見えている。

 無論、文句はだらだらと口にしているが、長くなるので割愛する。


 避難に急ぐ人々の流れと逆行するのが煩わしい。

 イオの下肢装具は見栄え重視で軽いアシスト機能しかなく、主人の役にはあまり立っていない。

 ホテルを出た頃と違って埃っぽい空気と焦げ臭い匂い。

 そして、市街を震わせていた爆発音がより近づいて聞こえ始める。




***




 ターコイズブルーが機体色、一課第三テーセウスのアーメイドに追われ、奇怪な重低音を振り撒きながら暴走メタスクイドは当てのない逃避行を続けている。

 市街地に侵入して頻繁に建築物に接触しているため、黒く鋭利だった外観は傷だらけである。

 彼らが持つ時空歪曲防壁〈IVシールド〉特有の現象である『像の揺らぎ』は確認できるが、通常状態より弱まっている。どこかしら機能不全に陥っているようだ。

 メタスクイドは全長が約三十メートルに達するのに対し、アーメイドは全高十二メートルほど。遠目から見るそれはまるで暴れ牛を追う人のよう。

 視線を市街に下ろすと、避難が遅れた人や自動車の姿がまだ残っている。スケール感が狂って一瞬脳が混乱する眺めである。



 一方、一課第三のアーメイドと合流するため、先を急ぐ一課第五ヘパイストスのアーメイド。

 白のボディにグレイと黄緑のカラーラインの機体、アーメイド三号機のコクピットに搭乗するのはパイロットであり射撃手、通称〈ガンナー〉のリコ・カシワギである。


 コクピットの全天を覆うメインモニタには、真っ青な晴天と矢のように過ぎ去る横須賀市街のビル群が映し出され、次々に立ち上がるミニウィンドウは市街の被害情報である。

 すると、リコの視界にヘパイストス演算思考体、通称〈へピイATi〉の指示が介入する。


《人的被害軽減のためプラズマガン使用禁止、バイブレードによる近接撃破を推奨》


 リコの後ろ、コクピット後席に搭乗するニュクス・ジョーンズ異重力分析官は、同じ指示をコクピットのメインモニタで確認し、女性らしからぬ低く図太い声で不平を漏らす。


「飛び道具は使うなって無茶ブリもいいとこっ! どうしろってのよ」


 ニュクスはそう吐き捨てると、帽帯型情報端末ヘッドセットの視界同期ゴーグルを降ろす。


「こんなので大丈夫? リコ、知覚共有システムが起動するよっ!」


 リコは既にゴーグルを降ろしているので表情は確認できない。

 ニュクスの野太い声に対し、ガンナーのリコは十代の女の子のように鈴鳴りだ。


「大丈夫。今日もニュクスは、よく『見えている』から」


 リコが後席のニュクスに返事をすると、コクピットの全てのモニタ表示はピー音と共にブルー基調からアンバー基調へと切り替わった。


 彼らメタストラクチャー、メタスクイドが持つ時空歪曲防壁〈IVシールド〉。

 超重力によって時空を捻じ曲げ、通常物理兵器のほぼ全てを無効化する不可視の盾。


 その唯一の弱点、超重力が循環する最も脆弱な部分である異重力収束点、言わば『盾に空いた穴』を観測するには生身の人間が持つ『異重力知覚』に依存する必要がある。

 それはカメラやセンサー等、あらゆる可視化技術を用いても観測が不可能なためであり、異重力知覚をガンナーに転送、共有状態を作り出すことによって『盾に空いた穴』への狙撃を可能とする仕組みが『知覚共有システム』である。

 ある種の才能と言える異重力知覚を持ち、他者への知覚転送と異重力位相変換弾頭〈アンチグラヴィテッド〉の調律を行うのが『異重力分析官』の役割だ。


「知覚共有、神経接続ともに起動良好。リコ、痛いとこないわね?」

「うん。ニュクス、格闘モードに入るよ」

「オーケイ」


 アーメイド管制システムもヘピイATiからガンナー優先に切り替わる。同システムは神経接続による動作同期を行うことで、ガンナーの意思に極めて忠実な精密動作を実現する。

 神経接続の継続制限は十五分、ガンナーはその時間内に任務を遂行しなければならない。


 リコが操るアーメイド三号機は、両翼の多関節アームを介したプラズマガン本体に平行逆向きに取り付けられた高周波振動ブレード、通称〈バイブレード〉を起動する。

 両の刃を持つ白銀の大剣。後方に向いていた切っ先をスイングし、百八十度回転させる。

 駆動ギアが唸りを上げ、重い金属同士の噛み合う音がコクピットまで届く。

 メインモニタ下端に《Sword Fighting Form》のテロップが流れ、三号機は蟷螂のような二刀形態、剣撃格闘モードに移行した。



 その損傷から暴走メタスクイドは移動速度が随分と衰えているが、それを追うターコイズのアーメイドもまた動きが鈍くなっている。

 元々は東京湾は磯子付近に降下したメタストラクチャー、その対応で出動した一課第三テーセウス所属のアーメイドだ。

 稼働時間が大幅に伸び、バッテリー容量に限界が近づいたためだろう。


 両者は都市空間を縫うように追走劇を続けていたが、暴走メタスクイドは高層ビル群の死角に入って急転身し、追う一課第三アーメイドに目がけて三本の銛状触手を放つ。

 アーメイドは黒い尾を引いて飛来する銛状触手の一本を躱しきれず、本体下部に懸架されたイ重力制御エンジンに直撃を受け失速。戦線の離脱を余儀なくされた。

 ヘピイATiは一課第三アーメイド離脱の報を受け、さらに一機の追加出動を提案する。




***




「テーセウスは東京湾から出突っ張りだから、仕方ないよね」


 エリックは一課第三アーメイド離脱のフォローを口にし、シート右肩のフックに掛けていた帽体型情報端末ヘッドセットに手を伸ばす。

 耳障りな反復音。彼がイオに連絡を入れていたのはアーメイドのコクピット後席からだった。


「空の上だったら、すぐ終わっちゃうんだけどな」


 少し鼻にかかったハスキーな声。前席に座るもう一人のガンナー、セリ・トドロキ。

 シートの上で抱えていた長い脚を床に下ろし、座り直して操縦姿勢を整える。ヘッドセットは既に被っているが、身体を固定する四点シートベルトはこれからだ。


「プラズマガンが使えなけりゃ、リコちゃん一機じゃ厳しいよ」

「逃げる相手に市街戦でしょ、最悪のパターン」

「ま、二号機がまだ出せないからね。一機待機の原則はギリギリまで崩さない」


 エリックは偵察ドローンの映像を前席背面のタッチディスプレイで確認する。

 映像は横須賀市街を一望に俯瞰できる高度で撮影されているが、火災による黒煙とビル群の死角に阻まれて暴走メタスクイドの位置が一目では判別できない。


「リコ、王子様じゃなくてごめんね」


 セリは口角を吊り上げて独り言を呟くと、手元の小型タッチディスプレイを操作した。

 青い光のアニメーションと共にコクピットの全天を覆うメインモニタがスリープから立ち上がる。直後、格納庫の様子が映し出された。


 ヘパイストス格納庫、整備ハンガー上のアーメイド一号機は待機状態を解除した。

 箱型の整備ロボットとクルー達が退去する姿を確認し、グレイと青のカラーライン、セリ・エリック組の一号機が出動準備に入る。

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