第4話

少年と少女は同じクラスになり、席は隣になった。

なんか気まずい。そう感じた少年は、できるだけ目線をあわさないようにしようと決心したのであった。


ほどなくして、部活動の勧誘が盛んになった。少年は、正直だるいので自分は帰宅部一直線だろうと考えていた。


部活動の入部の締めきりも近くなったある日、放課後に少年と少女は掃除をまかれされていた。自分の持ち場を先に決めた少年はさっさと自分の持ち場を終わらせて帰ろうとしていた。


「これ、なんだろう?」


少年は急に話しかけられ少しどきっとした。みると、少女の手にはキーホルダーがあった。なんとも不気味な小さな水晶のようなものがついていた。


「だれかが落としたんじゃないの?なにか手がかりは?」


「これって、オカルト研究会の紋章かも。勧誘のチラシでみたかも。」


少女は記憶力がいいのだろうかと、関係ないことを考えながら、少年は視線をそらした。まさにそのときだった。


パキンッ。パキパキパキッ。


その音の方に再び視線を戻した少年は、少女の手のなかの水晶が崩壊していくのを目撃した。


「意外と握力、強いね。」


「ちがうっ!見てたでしょ?自然に壊れたの。」


「でも、信じてくれるかな?その持ち主は。」


「とにかく、謝るしかないよね。」


「謝ったら、君のせいにされるよ?拾ったとき既に壊れていましたって言えば、いいんじゃない?」


「じゃあ、一緒に来てくれる?ちょっと不安だから。」


面倒ごとは嫌いだが、少女を見捨てるのも気が引けると感じた少年は少女と共にオカルト研究会に向かうことになった。

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