第四話〈3〉
また別のある日のこと。
その日もまた春香に会いに来た美夏(なぜか最近よく来る)に校門前で
「ふふ、それは
「あはははは、やっぱそうよね~」
ルコの声と……もう一つ、すごく
「ただいま」
がちゃり、とリビングの
「おお、帰ってきたか」
「お、
思った通り、そこにはソファの上で足を組んでふんぞり返っているバカ姉と、その
「……」
この人たちは二人とも
「今日はいつもより
「いや別に」
しかし。
「春香ちゃんとかその妹ちゃんにヘンなことしてたんじゃないでしょうね~?」
俺は何も言ってないのに、
「……何の話ですか?」
「
「……信長?」
確かにあいつは俺が
すると
「ま、信長くんも最初は言うのを
「……」
その場で何が行われたのかは……考えない方が心の健康のためにはいいんだろうな。
「さすがに信長くんの情報は
由香里さんの口ぶりからして、信長のやつ、持っていた情報を全て
「……ん?」
ちょっと待て。
そこで思った。
春香と学園でちょくちょく喋っていたことや美夏との一件はともかくとして、何であいつ、俺が春香の家に行ったことまで知ってるんだ? このことはだれにも喋ってないのに……
『情報化社会っていいよねー。情報
いつかの信長の
「……」
改めて、
色んな意味で俺が
「ま、もっとも信長くんに聞く前からも
……いや
「だって裕くんならいかにもじゃない。
「……」
俺の
「……
「……」
姉は姉で
「でも裕くんの性格じゃ幼女ちゃんにも尻に
「……」
由香里さんも由香里さんでさらに好き勝手なことを言いやがる。……くそ、何か本気でグレたくなってきたぞ。
「あ、裕くん、
「……そりゃあもう」
「ごめんごめん、そんな
「……う」
そこをつかれると
「確か、裕くんがいきなり
「過去を
あんたあの時ほとんど何もしてないだろ。
「ま、恋することはいいことよ。恋があるから愛があるわけだし、愛があるから人類は今こうやって
何だかいいことを言っているように見えて実はその場のノリで
「どお、裕くんも私といっしょに地球を救ってみない?」
「
ピンク色のオーラを出している酔っ払いに、〇・五秒でそう答えた。
「よよよ、フラれちゃったわ~。ルコ~、裕くんが冷たいよ~……」
「……いや、私としても
「うう~、姉弟そろって北極に吹く北風みたいに冷たいのね~……」
何やら
「それじゃ俺は宿題があるんで
「
その
「……ほんと気を付けてくださいよ」
俺はリビングのドアに手をかけ部屋へ行こうとして、
「裕くん」
と、
「……私ね、これだけは言っておきたいと思うの」
「何ですか?」
「……年下よりもね、やっぱり年上の方がいいわよ? 何といってもテクニックに天と地ほどの差が──」
「うるさいだまれ」
……ダメだ、この人。
学園では三バカや
春香と出会って以来、
それはちょっとばかりエキセントリックで、色々と苦労も多い。
でもそんな日常が、俺は気に入っていた。
だってそれはそれまでの
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