第二話〈8〉
「そろそろ帰るか」
「……はい。そうですね」
すっかり泣き止んだ春香が、
「でも……まだちょっとだけ
「まあ、また今度の休みにでも
俺が言うと、春香はキツネに両
「い、いいんですか?」
「ああ。言ったろ? 俺も今日は楽しかったって。だから春香とまた出かけられるんなら、望むところだ」
「う、
スキップをしながら前に出る春香。その先には──
「春香、前!」
「え?」
ガンッ、と
「……
──公園の
「……
「え、笑ってないぞ」
「わ、笑ってますよ! 思いっきり笑ってます」
ぽかぽかとゲンコツで俺の
「あー、分かった分かった、俺が悪かった」
「……
「いや誠意って言われても」
どうすりゃいいんだか。助けを求めるべく
「だったら最後にもう一回アレやってくか? 俺のオゴリで」
公園の外を指差す。そこにあったのは昼間に
それまでぷ~っと
「ほんとですか? やったあ!」
百円玉を
「こ、これって……〝はにトラポーズ〟です!」
……は? 何? 今のって日本語?
「『はにかみトライアングル』のヒロインで『ドジっ
春香の手の平の上では、
「私、これ
「……これを?」
このワケの分からんポーズをしたやつをか? これならあのピアノを
だけど春香は静かに首を横に
「このポーズ、とってもかわいいんでお気に入りなんです。それに──」
ちょっとだけ頬を
「それに……
そんなことを言ってくれた。
……まいったな。
夕方の
「……大事にしてやってください」
……ま、それが気の
こうして、俺と春香の初めての買い物は終わったのだった。
ちなみに後日
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