第二話〈6〉
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そして何だかんだで時間は過ぎてゆき。
いよいよ(
「時刻は現在午後四時四十八分……いよいよメインイベントです」
ここまで
「裕人さん……だいじょうぶですか? あの、やっぱり私、半分持ちます」
「いや、平気」
「でも……」
「ほんとに
小学生の
自らの
「何か顔色が悪いような気がするのですが……あ、あの、やっぱり荷物、重いんじゃないですか?」
「いや……ちょっと
「過酷な……ですか?」
「ちなみにシャレじゃないぞ」
「?」
「あー、何でもない。こっちのこと。それよりさっさと行こう。せっかくここまで来たのに、売り切れでもしてたら
と、
「
すぐに春香に
「道、そっちじゃないですよ?」
「……」
そういえば、俺は行く先がどこだか正確には分かってなかったんだっけ。
「こっちです」
「……はい」
うなずいて、春香の後に続く。
しかしあれだ。
まさかこの時
「……売り切れ?」
「はい。
メガネをかけたいかつい顔の店員さんが深々と頭を下げる。
現在俺たちがいるのは、某大型電気店3Fのゲームコーナーである。ぴったりお買い物のしおり通りの時間にここに
「限定版のシルバーモデルは
それも大変な
「どうにかして、手に入りませんか?」
「当店の系列店にも
俺の質問に
まあつまり話を総合すると。
「見込みが甘かった……ってことか」
本気でその
「……」
完全に、
「あー、春香」
「まあ今回は、運が悪かったってことで」
「……」
「春香?」
「……え? あ、はい」
「とりあえず出よう。これ以上ここにいてもしょうがないし」
むしろいたたまれない気分になるだろう。
「……はい。そうですね」
力のない声でそう答えて、春香はエスカレーターのある方へと歩き出そうとした。その身体が
「春香?」
「あ、あれ?」
俺が声をかけるのと、春香の身体がそのまま
「!」
床に着く
「
俺の
「は、はい。何だか少しふらっとして……」
「あの、
俺の考えていることが分かったのか、
「でもな……」
「お願いします。
……
「……分かった。じゃあとりあえず店を出て、どこか休める場所に行くぞ。──ちょっとガマンしてくれ」
「え? ゆ、裕人さん!?」
目をシロクロさせる春香を
……しかしお
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