第一話
第一話〈1〉
1
その日も別に、
私立
「──だからよ、俺は思うわけだ。女子の体育時の
「そうですね。ボクもそう思います」
「ああ、そうだな」
永井の主張に小川と竹浪の二人がふんふんとうなずく。
「
「え、いや俺はどっちでも……」
本当に心の
「どっちでもだと? そういう
「
「そうそう。そんなんだからお前はダメなんだよ。このコウモリ野郎が!」
三人
「まあ、いい。今はとりあえず俺たちのディベートを聞いてろ。そしてそれらを
まったく、揃いも揃ってアホばっかである。
心の中でため
そんな中、どうしても俺の
その中心には、『
クラスメイトの
もう食事は終わったのか、少し首を
ヤキソバパンを
などとのんびり考えながらちょっとだけ幸せな気分に
「
そんな俺の
「あー、いたいた。ねー
その大声に教室中の
「ねー、見てないのー? 昨日の『はにかみトライアングル』。来週で最終回なんだけど、クライマックスの一歩手前で主人公の親友がねー……あー、今からDVDが出るのが待ち遠しくてたまんないなー。ちゃんと予約しとかないと。何たって初回
こちらに
「裕人もねー、あれ見ないのはほんとに
「あー、分かった分かった」
とりあえず
「何だよー、人がせっかく気持ち良く喋ってるのに感じ悪いなー」
「人の教室に来るなり自分の趣味を一方的に喋り続けるお前の方がよっぽど感じ悪いわ」
「そうかなー、でもみんな好きでしょ? こういう話」
「お前個人の
「えー、でも裕人は好きだよね?」
「俺はどっちでもない。いつも言ってるだろ」
好きでもなければ
「うーん。でも
何の素質だ。
「僕にしては最高の
「大ニュース?」
こいつの言うことだから、どうせロクなことじゃないような気がするが。
「んー、ほら、僕がこの前
雑誌って……そういえばこの前何かひどく
「……申請書
と
「失礼だなー。そんなことしてないってー」
さも
「ただちょっと、
なお悪いわ!
しかし俺の突っ込みなんざヤツはこれっぽっちも聞いちゃいない。
「それに『イノセント・スマイル』って、その
と、
ガタン、という大きな音が教室内に
聞こえてきたのは教室の中央を
だがその場所では今、
教室がシン、と静まり返っていた。それはいつも深い湖のように落ち着いている
「ね、ねえ乃木坂さん、どうしたのかしら?」
「わ、分かんない。私たち、何もしてないよね?」
「何か
そんな
うーむ。
もしかして俺たち、何かやっちまったか?
身に
「
「そ、そうだな……」
とすれば
だったらここはちゃんと
クラス中が
「えーと、うるさくして、ごめんなさい」
ぐっと頭を下げる。すると乃木坂さんは
「あ、いえ、
「?」
でも、こっち見てたよな?
「い、いえいいんです。と、とにかく何でもなくて……ごめんなさい、お
それだけ言うと
だが俺たちには何が何だかさっぱりである。
「何だったんだろうねー」
「分からん……やっぱりお前がうるさかったんじゃないのか?」
「僕はそんなにうるさくないよー」
と大声で
ちなみに
……いや、ほんっとにどうでもいい話だが。
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