マンガ原作の映画はなぜコケるのか?
『ジョジョの奇妙な冒険』
『鋼の錬金術師』
『暗殺教室』
『寄生獣』
日本のマンガは世界に誇るエンターテイメントに成長している。
なぜ、映画監督はマンガを映画化するだろうか?
マンガの知名度を使いたい?
物語として優れているから?
それもあるだろう。しかしそれだけではないはずだ。映画監督は職人である以上に芸術家でなければならない。マンガには映画監督に『撮りたい』と思わせる何かがあるのだ。
映画を撮るには絵コンテと呼ばれるコマ割りを描いた4コマ漫画の様な台本を用意する。
そこにストーリーの流れや魅せたいシーンを描いていくのだ。
マンガとは絵コンテそのものなのである。
ストーリーを描ききり、魅せたいシーンを強調して描かれている。
マンガ家は映画を観て、魅せたいシーンの研究を行っている。マンガ家はセットにかける費用や出演してる者の安全性、果ては物理法則すら無視してより魅力的なシーンを描いているのである。
芸術家として映画監督がそれを撮ってみたいと思わないはずがない。
ではなぜマンガ原作の映画はコケるのか。
マンガを映像化する技術が足りない?
確かにハリウッドに比べると日本の映画は予算も技術も格段に劣る。
それだけが原因だろうか?
否!そうではない。
日本の週間少年マンガの主流は一つの大きなエピソードを描くのに大体100話、時間にして2年、ページにして1000ページくらいである。
そこに毎週小さな山場、10週に一度大きな山場、クライマックスは10週連続山場ばかりになる。
描きたいシーン山盛りなのである。
マンガ原作には当然ファンがいる。
ファンにはどのエピソードも大事な話なのである。それを削るには多少設定も変えなければならない。ファンはそれを許さない。
どうするか?
盛り込むのである。一つ一つの場面を作り込まず(作り込めず)人気のあるシーンを詰め込んでいくのである。
二年間かけて(それ以上か?)連載してきたものをパッパッパと見せられるのである。
それはもうマンガの映画化などではなくマンガのダイジェスト版なのである。
当然マンガ原作から入った者は『思ってたモノと違う』という感想になるし、話題になったから見ようと思った者は『な〜んだ、マンガの劣化ダイジェスト版か』という感想になってしまうのである。
ハリウッドのスーパーマンやバットマン。
原作のマンガは知らない。
でも、あまり原作に忠実に作ってないのではないだろうか?
それこそがヒットの要因なのではないだろうか?
日本のマンガ原作の実写化映画化を観てそんな事を考えるのである。
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