サイコハンター

@Max0629

オープニング

「なあなあ姉ちゃん、俺らといいことしようぜ?」

「や、やめてください!」

「そんなこと言わずにさー」

「そうそう、すぐになれるよー」

不良が女を路地裏に連れ込み集団暴行。

この街では見慣れた光景だ。

少年はため息をつく。

そして思う、

...助けるべきなのか?

うーん、やっぱり今日のバイトはサボるべきだったな。

清掃服に身を包み、右手にモップを持っている少年は空いている左手で自分の頬を掻く。

そんなことをしていると不良のひとりが女の服に手を伸ばしながら声を発した。

「しょうがないなー、なら...」

「...待った。」

少年はとっさに声を上げたことを後悔する。

一斉に注目が集まる

...少年は目立つのが好きではなかったため早めに切り上げたいと思い、話を続ける。

「あーお兄さん達、怪我したくないならここから去った方がいいですよ。」

「...なんだてめぇ」

「...見てたなら容赦しねぇぞ!」

不良は次々声を荒らげる。

だから関わりたくなかったんだ。

少年はため息をつく。

だが少年は話を続けることにした

「なんか勘違いしてるみたいですけど怪我させるのは僕じゃないです、何せ…」

少年は一呼吸おく。

「普通じゃないですもん、その女の人」

その瞬間女の中から、何かが出てきた。

「...もうちょっと、もうちょっとだったのにぃーーーー!クソガキがァァァーー!」

女は発狂する。そして何かが今にもこちらに向かってきそうな気迫を出している。

「はあ、出てきちゃったか。ならしょうがないな...」

少年は握りこぶしを作り、親指を立てた。そして自分の親指を歯に当て軽く噛み、犬歯を使って自分の親指を思い切り切った。そしてその親指を下に向け、女に突き出す。

「…今こそ血の盟約に従い、目の前にいる我の障害を排除せよ。」

少年の詠唱のあと、少年の影から目の前にいる何かに似たものが出てきた。

そして、一瞬でその女の何かを消し去った。

「あ、ああ、ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ーー!」

断末魔の声のあと女は倒れた。

死んだ訳では無い、気絶しただけだ。

「...主、」

「...なんだ?」

「生贄ガ足リナイ」

「そうか、なら仕方ないな。」

少年は助けたはずの不良の方に視線を移す

「あ、あんたまさか…」

「まあ見られてるし当然か」

血しぶきを始末するのは面倒くさいが仕方ない。

幸い、清掃道具は持ってるしな。

少年は不良にも女と同じように親指を下に向け突き出した。

今日の掃除はいつも以上に大変だな。

少年はそれ以上にも以下にも思わなかった。

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