第48話 冴えない戦場への送りかた

※原作最終巻のネタバレを含みます。

 ご注意ください。


「じゃあ、いってらっしゃい、倫也くん」

「ずいぶんあっさりだな、恵」

「だって、特にいうこともないし~」

「いや~、でもさ、やっぱりメインヒロイン的な役割がさ~」

「めんどくさいな~倫也くんは…… 見送りに来ただけでも感謝してほしいよね」

「そこをなんとか。加藤様、恵様。一生に一度のお願いです」

「もう~、大学受験くらいでおおげさだな~それに、倫也くんは、就職先も引く手あまたなんだからさ~」

「それはそうなんだけど。そうじゃないだろう。ああ、もう緊張するだよ」

「しかたないな~」


 そう言って恵は一息いれる。


「できるよ、倫也くんなら」

 そして、恵は俺に顔を近づけた。

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