第47話 冴えない前日のすごしかた

「どうしたの?英梨々?こんなに遅くに……」

「ごめんね、恵……なんか眠れなくてさ。ほら、明日、あれじゃない?」

「あ~、そういうこと~」

 どうして、本人じゃなくて、幼馴染が一番緊張しているんだろう。まあ、私も人のこと言えないんだけど……


「それに恵だって、やっぱり眠れないんでしょ?やっぱり倫也の合格発表が気になっちゃうんでしょ?そうなんでしょ?」

「そんな倫也くんみたいに言われても~」

「まあ、いいわ。少しだけ話してよ、恵」

「いいよ~。英梨々はいまなにしてるの?」

「とりあえず、仕事の絵を書いてる、恵は?」

「私は、ゲームしてるかな~」

「ゲーム!?恵が珍しいわね。デバッグとかじゃないんでしょ」

「うん、倫也くんが、貸してくれたやつ~前にやったゲームの携帯機版なんだって~」

「もしかして、クラ〇ド?」

「そうだよ~」

「ねえ、恵?たしか、あんたたちがはじめてゲーム合宿したときも、それやってなかったけ?」

「ああ、あの英梨々が怒鳴りこみに来たときだっけ?」

「そうそう…… じゃなくてっ!? もしかして、恵? 最初の思い出のゲームをやることで、私にそこはかとなくマウントをとったりしてなわいよね?」

「そんなことしてないよ~やっていたのは単なる偶然だよ~」

「そのフラットな感じが逆に怪しい」


「違うよ~ただ、単に彼のことを考えたかっただけ、だよ? 英梨々?」

「めぐみいいいいいいいいいいいい」

 私は少しだけ親友に意地悪をして、彼女の絶叫を聞いた。

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