第41話 冴えない後悔のしかた【加藤視点】

 私はひとりで、自分たちが作ったゲームをしている。

 いちおう、デバッグ作業なのだろうけど……


 私は自分の部屋でひとりでゲームをしている。

 攻略しているのは、英梨々。私は、彼の幼馴染ヒロインを攻略するルートをプレイしている。


 ホントは、攻略したくはない。でも、しなくちゃいけないんだ。


 このルートは、私が知らないふたりの物語が描かれている。

 もしかしたら、あったかもしれない個別ルートが……


 どうして、こんな残酷なことをするの、かな……

 私は彼をすこし憎む。


 だって、これは倫也くんから向けられたラブレター。

 私じゃない女の子に向けられたラブレター。


 これを読めば読むほど、彼が英梨々のことをどんなに大事に思っていたのか。

 英梨々が倫也くんをどんなに大切に思っていたのか。

 よくわかってしまう。


 だから、残酷なんだ、よ。

 涙ににじむディスプレイを見ながら、私はずっと背負うことになる十字架を心に刻んだ。

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