第32話 冴えない休みのすごしかた【加藤視点】

「ふぅ」

 私は、ため息をつく。今日は日曜日。

 珍しくゲーム制作合宿もないので、自分の家でゆっくりしている。

 家族はみんなでかけてしまった。


 特にすることもないので、ソファでくつろぎながら、ファッション誌を読んでいる。


 いつもだったら、今頃は倫也くんの家の台所で昼食を作っている時間だった。

「わたしひとりじゃ、作るのがめんどくさいな~」

 そんなことを考えて、やはり雑誌を読み返す。

 それが何度も続いた。


 そんなことをしているとスマホが鳴った。

 倫也くんだった。


 私は、間を置かずにメッセージを確認した。


「おはよう。まだ、飯食べてないか? よかったら、いつもの喫茶店で、コロッケでも食べない?」

 私はいそいで、服を着替えに自分の部屋に駆け込んだ。


「本当に、なんだかな~」

 私は嬉しそうな声でつぶやいた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る