第31話 冴えてる親友への妬みかた

「どうしたの、恵? はやくこっちに来てよー」

「うん、英梨々。今行くよ~」

 私たちは、英梨々の服を買いにショッピングに来ていた。

 やっぱり、英梨々はどんな服でも似合う。選び甲斐がある。


 どうして、倫也くんは、英梨々じゃなくて私を選んでくれたんだろう?

 彼女を見ていると、そう思ってしまう。


 たぶん、馬鹿な嫉妬心だ。英梨々は私の知らない倫也くんを知っているから…… こんなことを考えているめんどくさい女だ。どうして、こんな性格になってしまったんだろうか。それは、きっと倫也くんのせいだ。


「ねぇ、恵? 恵ってば……」

「うん?」

「もう聞いてるの? どっちが似合うかな?」

「緑色のほうがいいんじゃないかな~」

「そっかぁ。やっぱり、倫也はこっちのほうが好きよね」

「どうして、倫也くんの名前が出てくるのかな?」

「だって、恵。さっきすごく幸せそうな顔してたじゃない?」

「そんな顔してないよ~」

「ふ~ん、どうだかね~」

 英梨々は私をニヤニヤしながら見ていた。

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