第26話 冴えてるナポリタンのつくりかた②【加藤視点】

「ねえ、倫也、お腹空いた」

 澤村さんは、安芸くんにそう悪態をついていた。

「そんなこと言っても、もう買い置きしておいたお菓子はねえし、しかたないだろう」

「あんた、サークル代表なんだから、何か作るか買ってきてよ」

「サークル代表を、なんかパシリと勘違いしてない? なぁ、そうだろう?」

「はぁ、役立たずのあんたに仕事を作ってあげてるんでしょ。ありがたく思ってよね」

「そもそも、英梨々がなにか作ってくれてもいいだろう?」

「はぁ、あんた、私が何か作れると本気で思ってる?」

「これだからポンコツ幼馴染ヒロインは……」

 霞ヶ丘先輩もそのごたごたに参加してきて、私はスマホをいじりながら、それを見つめていた。


「なら、私がなにか作ろうか?」

「えっ」

「はっ」

「加藤、おまえ料理できるのか?」

 三者三様の反応だった。


「うん、たまに作ってるから、簡単なものならできるよ~」

「……」

「……」

「……」


 いつもなら私をボロボロにけなす三人の顔がとてもおかしかった……

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