人とは違う視点を持っているからこその結論、なんでしょうね。なんだろう、ハルさんにとってはどうしてもすべての人間が見守る対象、のような感覚があるんじゃないかなと思ってしまいます。その点はアスラくんの方が人間に近い感性を持っているのかもしれませんね。
ハルさんはともかく、一般的な人間が詰みを許す心を持ってしまうと、自分が犯す罪にもまた寛大な心を持ってしまうような気がするんですよね。
よく悪いことをした人に対して、過剰に攻撃するような人が現れますけど、それって多分「自分は我慢しているのに!」っていう気持ちが表れているような気がします。
ハルさんは人格者というか(人じゃないからなんて言っていいかわかりませんけど!)心の優れた存在だから、大丈夫でしょうけどね。なんだか語ってしまってすみません、ちょっと思ってしまい!
作者からの返信
そうそう、そうなのです。ハルとリュライオはこの世界(惑星)誕生の瞬間を見ているので、世界丸ごと愛する対象なのですよね。
アスラのほうは世界の只中で生まれ育ちましたし、情緒が少年の時代から姉夫婦と一緒に人間の国に住んでいるので、感情の動きは人間寄りです。
実は、私個人としては死刑賛成派で。(冤罪を完全に防げるのなら、という前提ですが)
作中ではこれから、異なる考えがいろいろ出てくると思います。正解はありません。ハルの選んだやり方でさえ、正解とは言えない。
いふさんも、自分(自作品)だったらどうしただろうと考えながら読んでみると、より楽しめるかもしれません^ ^
罪、それも大罪を犯したものに対する見方って多かれ少なかれ人生観と結びつくものだろうと思うのですけど、そういういわゆる私刑についても後々……恐らくいふさんの予測とそれほど違わない流れではないかと思います。
ハルは人格者というより、優しすぎるんですよね。
でも、感情って生き物なので、わかっていてもどうにもならないことってありますよね……。
冒頭の序章。
誰が誰に対しての、投げかけかは分かりませんが。
予め伝えて頂いた通り、もう悲劇の予感がガンガンきておりますっ。
心して読み進めさせて頂きますっ(・v・)
「それより、ご飯にしよ?」
悲劇の中でも人はしっかりとお腹がすくのだなあと、ちょっと抜けた事を思ってしまいました。
と言いますか、これから起こるであろう事を考えますと、このような何気ない兄妹での食事の時間が、かけがえのない大切な時間のように感じてしまい、ここで目が止まってしまいました。
ハルは国民とその他の線引きを、していないのかなと思いました。
全てこの星の住人。そのような認識なのかと。
このハルと国民の視点のズレが、今後の流れとなっていくのかな?
そんな事を考えつつ、読み進めたいと思います。
どこでどんな災いのスイッチが入るのだろうと、身構えながら読んでおります(・v・)
作者からの返信
序章の詩は、第三部と対になっております^ ^
誰から誰へ……はいずれ明確になるのですが、その時が来たら「あぁぁ」って思っていただけましたら……。
そうなのです。食事と睡眠は、どんな時でも必要なのですよね。
この兄妹の穏やかな日常がこのままずっと、続いていけばよかったのですが……。ご予想の通りに、かけがえのない時間に(ノ_<)
ハルの視点は創生者と同じ、こちらの世界でいえば神と同じ視点なのですよね。国家の枠はあるとしても、その国の王だけにはとどまれないといいますか。
この世界の始まりから、人族を見守り続けてきた竜の視点と、今日や明日の生活を守りたいと願う人の視点。双方が認識している以上に、その隔たりは大きくて。
決定的な幕開けはもうすぐそこに……ということで、無理なく読んでいただけましたら!
刑罰については応報刑論か目的刑論かという古典的な対立があり、キツネははっきりと目的刑論(刑罰は応報のためではなく、社会的秩序の維持のためにある)の立場に立っています。文明の歩みは概ね応報刑から目的刑へと変遷していきました。パッと見、ハルの立場も目的刑論ですが、視点がほぼ神なので、人間の感情を置き去りにしていると感じられることも多いのかもしれませんね。
作者からの返信
刑罰の加減って本当に難しい分野だなぁと思います。人は相手の心を読むことはできないですし、本心から厚生を望んだとしても、生まれ育ちその他の事情で失敗することだってありますし……。
お察しの通り、ハルの見方は神様のような立場からなので、個人というよりは全体的な、長期的な救いを考えてしまうのでした。もちろん、個々へも心を寄せているわけですけど、全部が伝わるわけでもないですよね。
そういう齟齬が、大きなすれ違いをもたらすことになっていきます。