1月30日 反論できません…。
注意散漫なので日記を27日放置するという前代未聞のあガガガ・ガガガイ・ウー!行為に走ってしまいました。でも考えてみて下さい。僕はLGBTのTたる”Train”-トレイン- なわけです。うるせぇ俺は性的マイノリティだ配慮しろ
というわけでこれは題名通り「手記」ということにしましょう。でもあなた「日記」と言いましたよね?アナタ、反論できませんよね??
…反論できねぇわ。
はい、大変申し訳ありませんでした。黙って正座で続き搔きます…。
というわけで14時20分に札幌駅を出た学園都市線は一路石狩当別へ。
本来ならこの時間に石狩当別から札沼線の気動車に乗るはずだったんだけどね…
で、3月末にもかかわらずどこまでも高層ビルの間に銀世界が広がる札幌の鉄北地域を学園都市線は駆け抜け、やがて住宅地へ、そこからいかにも北海道感あふれるどこまでも続く直線上の耕作地が現れて、田園地帯へ。
札幌から30km弱、石狩当別駅へ到着〜。
で、ふと一駅お隣の医療大学行きの電車が来たので、乗っかって北へ一駅。
「北海道医療大学駅」
ここが学園都市線の終着駅であり、「電車」はここから北には行かないのだ。
此処から先は非電化区間、つまりは「気動車」の独壇場――…"札沼線"である。
学園都市線(電車)
札幌→→石狩 → 医療
当別 → 大学→→新十津川
札沼線(気動車)
【学園都市線電車と札沼線気動車は運行区間がたった一駅だけ被っているので、石狩当別駅からでも北海道医療大学駅からでも乗れるのだ!!!】
この北海道医療大学駅から終着・新十津川駅までの40km強の線路が、今回廃止される札沼線の区間。
これを見に、コロナ禍をはるばる北まで乗り付けて来たのだ。
ここから待ちに待った札沼線を…待ちます。
暇です。
本来の予定なら10分乗り換えだけど、なにせ廃止寸前の路線なので本数が致命的。逃したがために一時間は待たねばならないのです。
けど、一時間ならまだいい方。
この札沼線、終着の新十津川駅はななななんと一日一本、午前10時の列車が始発かつ終電なのです。それに比べたら札沼線列車が一日7本は出るこの医療大学駅のが遥かに恵まれてるわけ。
というわけで暫し構内を多動、くるくるそこらを回ってみたものの、カネがないので駅から出られません(←ここ重要)
ホーム一時間待ちって辛いんだよ…。
でも北海道医療大学駅は狭い、無人駅、すぐ飽きる。仕方ないね、残存区間の末端とてこんなものだ。
誰もいないホームで大回転しながら待っていると列車が来た。
うおおおお!来たぞ!キハ40だ!!
行き先は「浦臼」。
一本前の同じく「浦臼」行きで本来訪れる予定だったのだが、一本後では残念ながら帰りの便に間に合わない。泣く泣く途中の月形で折り返しだ。
列車に乗り込んでゆっくりと腰を下ろす。
うーん、このエンジンの音が良い…。
つーわけで医療大学出発。
石狩金沢(温泉があるらしい)、本中小屋、中古屋、月ヶ岡(駅舎がログハウス!)と過ぎていく。どれも無人駅だが個性的な駅だ…と言いたいところだが、月ヶ岡以外の3駅は簡素なホームに廃貨車の待合室という北海道あるあるの駅構造。でもこれがノスタルジぃ…。
で、次の知来乙駅にて下車。
その次の石狩月形では一分乗り換えとなるので料金清算が間に合わないし、最悪対向列車を逃したら詰むからだ。流石にそのレベルの賢明さは残ってた。
あー月形でのタブレット交換見たかったなぁと悔し涙をながしながらも、知来乙の簡素な風景もいいよなぁと思いつつ。銀世界にぽつんと佇む待合室…エモい。
ここでツイッターアイコンにしている知来乙駅の写真を撮りました。
その時はまさかのペンを忘れるという致命的事態のために駅ノートを書けず、泣く泣く駅スタンプを手に押しました。←基地ゲェ?
しかし僕の意識は半分いまだに千歳線が動いてるかどうかで心臓バックバク。死ぬ。
大丈夫かなぁこれで動いてなかった詰むなぁ帰れないなぁ…何なら雪降る札幌で凍死しかねぇぞと恐慌状態に陥りつつ、この無人駅にも帰りの列車が来た。
上から下まで震え上がりながら人生最後の札沼線に揺られる。
『次は、本中小屋〜、本中小屋〜。』
この自動放送も、揺れる気動車も、心地よい音を奏でる軌道も、流れ行く窓の外も。二度と見ることはないのだ。この鉄道はもうすぐ、地上から永久に消えるのだから。
そう思うとやっぱり月形や浦臼の駅に行きたかったなぁとコロナと倒木を恨みつつ、千歳線動いてるかどうかの恐怖半分、廃線へのノスタルジー半分で錯乱する僕を乗せて列車は医療大学を経て、石狩当別へ滑り込む。
「…あぁ、これで札沼線も終わりなんだな。」
列車を降りる時、そんな嘆息が思わず漏れた。
「っ、そだ!千歳線!!」
1時間ぶりに舞い戻ってきた石狩当別駅はようやく有人駅。人がいるので運行情報が聞けるのだ!
跨線橋を全力で駆け上がって橋上の改札口へ。
「千歳線動いてます!?」
「30分遅れですが動いています」
僕はこの時はじめて神というものは存在するのだと知った。
ああ…、よかった……。
学園都市線札幌行き電車に乗り換えて札幌に着く頃には、太陽も石狩湾に沈んでいた。
ネオン輝く札幌は、まだコロナ患者が1ケタ台だった頃でいつもと変わらない眠らぬ夜が始まっていた。
そんな札幌市街とは対照的に、僕を強制的に震い立たせていた懸案が解決した安堵と疲労で全てが抜け、強烈な眠気とともに新千歳空港行きに乗車。終着が新千歳だから乗り過ごして東室蘭、なんてこともないし、勝ったな…。
〈列車は、30分遅れで札幌駅を発車しております…〉
…ん?
18時30分 札幌駅
↓ 千歳線(遅延中)
19時10分 新千歳空港駅着
19時 保安検査場
「ンンン????」
あ、詰んだかも。
しかし列車は速度を飛ばす。JR北海道流遅れ回復運転だ。
早い、早いぞ!でも多分間に合わないぞ!うんち!くたばれ!シネカス!ゴミ保線!沿線の伐採するカネもないのか!
「うぉぉぉぉおおおおおおお!!!!」
胸熱展開。1分か、1秒か。
うおおおおおおおおおォッ!(語彙力全焼)と列車は北広島を、恵庭を、千歳を、南千歳をあっという間に飛ばしていく。
そうして滑り込んだ新千歳空港駅1番ホーム。
〈新千歳空港〜新千歳空港〜。本日は列車遅れまして大変――〉
「うぉぉぉぉおおおおおおお!!!!」
階段を駆け上がる!日帰りのつもりで来たからスーツケースとか重いものもなく、2000円とおやつという軽々としたリュックで身軽に改札を越えていく(改札突破じゃないよ、ちゃんと知来乙からの運賃を払ったよ)。
なお知来乙駅は無人駅。ICカード改札も券売機もないので、整理券を新千歳空港駅の駅員さんに提示して降車という流れ。どうしてあんな無人駅から来たのかと不審な目で一瞬見られたが「あぁなんだ鉄オタか」と気づいてくれたようだ。
さすがは経験が違う。迷惑鉄と日々熾烈なバトルを繰り広げてるんだろうなぁ…。
それはともかく。
走れ!飛行機のために!
走れ!走れ!
メロスのように新千歳を滑走、保安検査場に滑り込む。
「成田行きの春秋航空は!?」
「まだ保安検査やっていますよ。お急ぎ下さい。」
――僕は、賭けに勝ったのだ。
長い長い旅が終わる。
成田空港B滑走路、22時20分着陸。23時に第3ターミナルへ解き放たれた僕は全力疾走で横須賀・総武快速線へ殴り込む。またこいつ走ってるよ、多動か?と思われるかもしれないが、しかし成田空港を出るスカ線の終電は23時30分。なお第3ターミナルと成田空港駅は死ぬほど離れている。連絡バスが出てるくらいだ。なおその連絡バスはこの深夜、営業を終えている。ふざけんな。
走る、走る、走る。
息を切らして滑り込んだ終電は、温かかった。
やったぞ。
中学生とて親にバレずに一人で飛行機で札幌に行けるんだ。
ちょー達成感。あぁ…疲れた…、寝よ…。
というわけで横須賀色の快速線は湘南をひた目指し、眠りこけた僕を乗せて夜の更ける帝都を駆けていったのでした…!
その後。
「終電で帰ってくるなんて、どこ行ってたんだ?」
「御殿場で乗り間違えて沼津に出たら、ホームで変な中年鉄オタに絡まれてた」
「今度は連絡をよこしなさい」
「スマホ持ってないから仕方なくね」
「公衆電話あるだろう?」
「最近のはテレカ使えないんだよ」
「なんだと…?」
親はむしろ感覚が時代に取り残されていたことに愕然としていた。
そういうわけであの無謀な日帰り北海道博打から1年たった今も、親バレはしていないのです。終わり。中学生はもう寝ましょう。ちゃんちゃん。
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