　横浜市内、帝都総合病院へ榊純一と麻生リナの二人が訪れた。

　リナは龍崎レイラの写真を手に看護師に訊いた。

「申し訳有りません。こちらにこう言う方が入院されてませんか……」

「さァ～……　存じませんが……」

「いえ、知りません……」

　他の看護師にも手当たり次第に尋ねていたが、皆、知らないと応えた。

　続いて看護師の一人、高松みいなに写真を見せた。

「すみません。こちらにこう言う方が入院されていると伺（うかが）いまして……」

「あら、レイラ様……」

「え、レイラ様……　あの病室はどちらでしょうか❓」

「え、レイラ様なら今朝、退院されましたが……」

「あ、そうですか……　あの…失礼ですが、レイラ様のフルネームは❓」

「え…、お知り合いじゃないンですか……」

　不信に思い聞き返した。

「ええ、ちょっと……」リナは苦笑いした。

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