第378話

「え、まァ~、矢作ハギさんがあんなにピアノが上手だったなんて知りませんでしたから」


「俺の事なんか、どォ~だって良いンだよ……」

「え……、じゃ、何だって言うんですか……

 もう決まりでしょォ~」


「ああ、決まりさ……」

 矢作は手を気にするように握ったり開いたりした。


「まさに、レイラ様は、お嬢様の中のお嬢様ですからねぇ」

 冨田はレイラに魅せられたようだ。


「ああ、そうだ。彼女はレイラお嬢様じゃねぇ~❗❗❗」

 おもむろに矢作はポケットからミンティアを取り出した。


「え……❓」一瞬、冨田は呆れたように矢作の顔を見た。

「な、何を言ってンですか……」

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