第377話 矢作警部補

 矢作警部補たちが玄関を出ると若い冨田が屋敷を振り仰ぎ苦笑いした。


「フフ…… やっぱ、本物のセレブお嬢様でしたねぇ」

「あン……、何が、だ❓」

 矢作は何か不服なようだ。


「何がだッて、レイラ様ですよ……

 エレガントで見事な演奏だったじゃないですか❗❗」


「ふン…、笑わすな。お前にピアノが解ってたまるか❗❗」


「そりゃ、そうでしょうけど……

 あんな演奏、榊ルナには到底、無理でしょ……」


「お前には解らないさ……」遠くを見つめた。

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