第374話

 見ると矢作が一人立ち上がって拍手をしていた。

「ブラボォ~ーー……😆🎶✨

 いやァ~、さすがレイラお嬢様だァ~ー❗❗」


 ハッと気づいたように、桐山アキラも拍手したたえた。

「フフ……、これで解かったでしょ❗❗

 レイラお嬢様だと❗❗」

 彼は、勝ち誇ったみたいに義姉 ミラを見つめた。


「フン……」ミラは、そっぽを向いた。


 笑みを浮かべ矢作警部補は近寄ってきた。

「フフ…、こんな』は初めて聴きましたよ。

 ありがとうございます。

 無理を言って……」

 ヤケに、あっさり降参し握手を求めてきた。


「……」何か言い知れない思いだ。

 取り敢えず握手をしたが、私はすぐにアキラのそでを引っ張った。


「ハ、ハイ……」

 桐山アキラは少し戸惑った様子だ。

 

「……」部屋へ引き返そうと顎でサインを送った。

「あ、解りました……」

 アキラは苦笑いを浮かべた。車椅子を彼に押して貰い、私はリビングを後にした。

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