第367話
「フフ…、何も一曲丸々、演奏しろなんて言わないわ。ほんのさわりだけでも結構よ❗」
ミラは出来るかしらと言うように上から目線だ。
アキラは尚も抵抗しようとしたが、私は彼の腕を掴んだ。
「な…❓」不意に腕を掴まれアキラも驚いたようだ。
「……」無言で
私も腹を決めた。ここで逃げ出すワケには行かない。
刑事も義母、義姉、そして屋敷にいる全員が疑いの目で私を見ている。
ここで逃げれば、『龍崎レイラ』ではないと言っているようなモノだ。
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