第363話

「ま、その写真は榊ルナの父親から提出されたモンでして……

 今の髪型はもっと落ち着いていると思いますよ」

 矢作は私の顔を覗き込んだ。つい私は視線を逸らせた。


「フン…、下らない…… この方は間違いなくレイラお嬢様です。これ以上、変な事を言うなら訴えますよ❗❗」

 弁護士の桐山 アキラが冷たく言った。伝家の宝刀だ。


「まァまァ~、落ち着いて下さい」

 堪らず若い冨田刑事が仲裁に入った。


矢作ハギさん、もう引き上げましょ」

 刑事たちの旗色が悪い。


「……」どうやら、ケリはついたようだ。

 これで刑事たちは引き上げるだろう。


 しかし状況は一気に暗転した。


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