第354話

「なるほど…… ところで乗客の中に知り合いはませんでしたか……」


『う……』一瞬、顔が引きつった。


 どうしたら良い……

 ルナの事は隠しておいた方が良いのか……

 それとも……

 一瞬、チラッとアキラを見た。

 彼は無言で首を横に振った。

 躊躇したが、私も首を振って居ないと応えた。


「フゥ…ム…、居ませんか……」

 矢作は少し考えているようだ。


「ところで、お嬢様❓ どうして乗っていたのでしょうねぇ」

 思わせぶりに笑った。


「……❓」どういう事だ。それッて……


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