第347話

 屋敷のリビングでは二人の刑事らがコーヒーを飲んでいた。一人は中年の矢作やはぎで、もう一人は若くイケメンの冨田だ。


 リビングには大きなグランドピアノが置いてあった。おそらくレイラが弾くためのモノだろう。


 全く似つかわしくないズズゥーッと、コーヒーをすする音が響いた。


「いやァ~、実に美味しいですねぇ❗❗」

 矢作はたいそうご機嫌な様子だ。


「ありがとうございます」

 家政婦の武藤サクラが愛想笑いを浮かべた。


 リビングに設置された四つの防犯カメラが車椅子の私たちの姿を捉えた。


 私の顔がズームされ、四階の光輝コウキの部屋にある無数のモニターに映し出された。


 光輝コウキは手元で操作し、さらにモニターにズームアップされた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る