第346話

「刑事さんたちがいらっしゃいまして……

 お嬢様に、バスの事件の事情をお聴きしたいと……」

 バスの…… 思わず私は眉をひそめた。


「解りました。今、行きますとお伝え下さい」

 冷静に桐山が応えた。


「ハイ……」笑顔で武藤サクラは、そそくさと引き上げて行った。


 私はチラッとアキラを見た。

「フフ…、大丈夫。僕がついています」

 優しく彼は微笑んだ。


「……」

 知らぬ間に彼に頼っているみたいだ。

 マジで桐山アキラは信用できるのか。

 今は、まだ解からない。


 池の鯉が勢いよくねた。

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