　三浦半島へ上陸した台風は、さらに勢力を増し叩きつけるような豪雨が京浜地帯を襲っていた。

　私の方は風呂に入っても親父たちの事が心配になり､気が気じゃない。

　どうやら親父たちは非合法なエロディスクを観て盛り上がっているようだ。

　豪雨に混ざって『アンアン』と女性の喘ぎ声が響いてきた。

　ノックの音がして親父が声を掛けてきた。

『おい、ルナ！　あんまりお客様を待たすなよ……！！』

「フン……」何が､お客様だよ。

　ただのロリコンジジィーだろうがァ……。

　ゆっくりバスタブに浸（つ）かる事も出来ない。

　親父が働かずに､手っ取り早く金を得るため始めたのが､この秘密の『コスプレ撮影会』だ。

　私にセーラー服など､好きなコスプレをさせて、ロリコンオヤジどもに撮影させると言うシロモノだ。

　マニアには堪らないらしい。

　ひと晩で何十万と儲かるようだ。

　いくら儲かったトコロで泡のようにギャンブルで消えていく。

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