〔ウイルスを滅するもの〕



第14話 〔ウイルスを滅するもの〕




「ガチャチャ。」



特子「おっはようございますんすん。」



私は『志賀内特子』…、まあいいや、めんどくさいし…



カチョー「お、今日は早いな。」



そして、彼がこの課の………



特子「あれ?カチョーだけですか?他の人達は?」



カチョー「おい?特子、俺の紹介は名前すらないのか?」



特子「別にもういいじゃないですか。みんな知っているんだし。」



カチョー「いや、でもな…」



特子「いませんよ!! 14話から初めて読むアホウがいるわけないじゃないですか!

そんな奴ら、こっちからお断りだい!読みたい人だけが読む!それが『特課』なのだ!

そんなことより、他のみんなは、どうしたんですか?お休みですか?」



カチョー「そんなことよりって…、お前、これでまた何人か敵を作ったぞ…

他のみんなは『リモート出勤』だ。」



特子「??!何ですか!? そのアニメオタクの心をわしづかみにするような『妹出勤』って。

新しいメイド喫茶ですか!?何処に出来たんですか?早く行きましょうよ!仕事なんてしてる場合じゃないですよ!もちろんカチョーのおごりで!!」



カチョー「ちょ、ちょっと待て特子!とりあえず落ち着け。『妹出勤』じゃねえよ。『リモート出勤』だ。」



特子「リモート出勤~?」



カチョー「ほら、今は『コロナ』が流行ってるだろ?イベントや警備の手伝いも減ったからな。3密も避けないといけないし、とりあえず、みんな自宅待機だ。

仕事があれば、現地集合ってやつだ。」



特子「ん?じゃあ、なぜ私はここに居るのだろう?自宅待機なら、アニメが見放題じゃないですか!

私も明日から『妹出勤』にします!」



カチョー「『リモート』な『リモート』、それにお前は今、自宅が無いだろ?だからここに住んで居るんだろうが。」



特子「あ!そうだった。詳しい事は『第2話』を読んでね。」



カチョー「それから特子、最初の「ガチャガチャ」って、一体なんだ?

お前の部屋にはドアが無いだろ?」



特子「そうですよ!そう!何でドアが無いんですか?!仮にも年頃の女性の部屋ですよ?

変なやからが侵入でもしたらどう責任を取ってくれるんですか!」



カチョー「お前が部屋の換気をしないからだろうが!本部長からコロナ対策を徹底しろって言われているんだよ。

それにお前は、窓やカーテンも開けずに電気も消して、テレビを見てるだろう?」



特子「だって、真っ暗な方が映画館みたいで集中出来るんだもん。

そんな事より、私が襲われでもしたら、誰が責任を取ってくれるんですか!カチョーの愛人にしてもらいますからね!お金くださいよ!」



カチョー「ま…まあまあ落ち着け。ここは警視庁の中だぞ。誰が好き好んで侵入する?考え方によっては、日本一安全な場所だぞ。」



特子「それはそうなんですけどね、それから「ガチャガチャ」じゃなくて、「ガチャチャ」ですよ。」



カチョー「どっちでもいいよ…ドアが無いんだから、音はいらないだろ?」



特子「いや~、なんというか、ほら、アレですよアレ!五郎丸や、一郎が毎回決まって同じポーズをする事。」



コウ「ルーティーンでしょ。」



特子「そう!それ! !

あれ?コウちゃん、来てたの?っていうか何処にも居ないし…キョロキョロ…」



コウ「ここですよ、ここ。」



特子「ここ?」



カチョー「コウの机の上にパソコンがあるだろ?それだよ。」



特子「あ~、これですか?おはようございます、コウちゃん。それではサヨウナラ。」



「パタン」



カチョー「あ!何パソコンを閉じてるんだよ!」



特子「だって、コウちゃんてば、いつも私をこき使うんだもん。」



カチョー「ここには居ないんだから、こき使われることは無いだろ?」



「パッ!」



特子「あれ!?私の部屋のテレビが勝手についた。」



コウ「よくもやってくれましたね。特さん。」



特子「え?!私のテレビにコウちゃんの顔が…」



特子のスマホ「特子~、電話だぞ~。特子~、電話だぞ~。特子~、電話だぞ~。…」



特子「うわ!私のスマホから、カチョーの声がする…」



コウ「スマホの着信音を、カチョーの声にしました。あ、ちなみに待ち受けも、カチョーにしましたよ。忘年会の裸躍りの写真です。」



特子「ひ!!ひどい!なんてことを!!やめて!すぐにやめさせて!!」



カチョー「もう遅い…走り出したら誰にも止められないんだ…」



コウ「そんなことはないですよ。パソコンを開いてくれたら、やめてあげますよ。」



カチョー「あれ?今、俺、何か言ったか?」



特子「コウちゃんの目が攻撃色で真っ赤だ!早く静めないと、スマホが…私のスマホが…」



「パカッ」



コウ「ありがとうございます。やっぱり自分のパソコンじゃないと、おちつきませんね。

じゃあ、スマホを元に戻しておきます。」



特子「やはり侮れないな、彼の名前は『太陽コウ』サイバー犯罪のスペシャリストだ。」



コウ「ちょっと、久しぶりだからって、いい加減な事言わないでくださいよ…、それはアダ名の由来でしょ。それに『犯罪のスペシャリスト』って本当の犯罪者みたいじゃないですか。」



特子「何をいけしゃあしゃあと、盗撮盗聴何でもござれの覗きのスペシャリストじゃないですか!」



カチョー「まあ、それは俺も否定しないがな。」



コウ「ひどいな~、でもそのおかげで、特さんを誘拐犯から助けたんですよ。」



特子「う!ま、まあそうなんだけど…詳しくは『第6話』を見てね!」



コウ「でも監視カメラで街を見てますが、やはりコロナの影響で人が少ないですね。」



カチョー「まあ、仕方がないさ、ワクチンも特効薬も無いんだからな。」



特子「え?何を言ってるんですか?2人とも。

コロナの弱点を知らないんですか?」



カチョー「「知らないんですか?」って、お前は知っているとでもいうのか?」



特子「フッフッフ…だてに仕事サボって、アニメを見ていた訳じゃないですよ。気付いたんですよ、コロナの弱点に!統計学から割り出してね!」




コウ「ウソでしょ~!世界中でも、そんな事言っている人は居ませんよ?!

もし、本当なら世界的大発見ですよ!」



カチョー「な、なんだ!特子!コロナの弱点てなんだ!?」



特子「コロナの弱点!それは名前に隠されていたんです!」



コウ「もう、勿体ぶらないで教えてくださいよ。」



特子「チッチッチッ、そう慌てなさんな。」



カチョー「お前、喋り方が『茶目』に似てきたな。」



コウ「一時期は、ほとんど毎日通ってましたからね。」



特子「詳しくは『第9話』を見てね。」



カチョー「そういうのはもういいから!早く弱点とやらを教えろ。」



特子「欲しがりますね~、カチョーってば。

まあ、いいでしょう。私は先ず、感染が多い場所を調べました。

これから2人に質問します。地名を聞いて、思い浮かんだ食べ物を言ってください。



カチョー「なんだそれ?コロナとどう関係が…」



特子「いいから、行きますよ。札幌!」



カチョー「ビール!」



コウ「ラーメン!」



特子「九州は熊本!」



カチョー「馬肉!」



コウ「ラーメン!」



特子「博多!」



カチョー「もつ鍋!」



コウ「とんこつラーメン!」



特子「カチョー!!」



カチョー「え?!俺?」



コウ「娘さんに嫌われている!」



特子「いや…そうじゃなくて、カチョーはコロナの味方をしてるんですか!?コウちゃんを見習ってください!」



カチョー「コウを見習えって、コウはラーメンしか言ってないだろ?

あ!もしかしてコロナの弱点はラーメンなのか?!」



特子「そんなハズあるわけないでしょ。続けますよ。カチョー、空気を読んで下さいね。

大阪!はい!コウちゃん!」



コウ「たこ焼き!」



カチョー「お好み焼き!」



特子「いいですよ!いいですよ!名古屋!」



コウ「ほうとう!」



カチョー「ういろう!」



特子「ノッて来た~!!広島!」



コウ「お好み焼き!」



カチョー「牡蠣!」



特子「カチョー!!!」



コウ「奥さんに頭が上がらない!」



カチョー「また俺!?」



特子「違いますよ!カチョー。空気を読んで下さい。って言ったでしょ。

カチョーの年代なら『もみじまんじゅう~』ってやらないと!



カチョー「いやいや、お前、何十年前のギャグの話をしてるんだ?お前、絶対昭和の生まれだろ?」



特子「ま、まあ良いですわ。ところでコウちゃんさま、コウちゃんさまの答えで気付かれた事はありませんか?」



カチョー「俺の答えは無しかよ。てか、なんだ?その口調は?」



コウ「そうですね…ラーメンにお好み焼きにたこ焼き、うどん、もんじゃ焼きに、明石焼き。全て『粉物』ですね。」



特子「さすがコウちゃん。頭の回転が早い!どこかの昭和の化石さんとは大違い。」



カチョー「誰が『昭和の化石』だ!あ、詳しくは『第3話』に載ってるぜ。」



コウ「ところで、その『粉物』と『コロナ』は、どう言った関係があるんですか?」



特子「『コロナ』の文字をバラバラにすると、前と後ろで『コナ』、真ん中の『ロ』は漢字の『口』。

つまり、感染しやすいのは、粉を口に入れる人達なのよ!」



カチョー「ち、ちょっと待て特子!なら一番感染者が多い『東京』はどうなる?これといった粉物は…」



特子「東京だぁ~?けっ!フランスパンを紙袋に突っ込んで歩いてる人達ですよ。パンケーキだの、ワッフルだの、「生」食パンにマカロンて、粉物しか食べてないじゃないですか。お酒を飲んだ〆はラーメンて、感染者が増えて当然ですよ。」



カチョ「じゃあ、コロナの弱点というのは…」



特子「そう!粉物の天敵!それは日本が世界に誇る主食!『米』なんですよ!だから世界的に見ても、米を食べない欧米人の感染者が多いんです!」



カチョー「東京はそれとして、千葉や埼玉はどうなる?そんなに都会とは思えないけどな。」



コウ「カチョーも敵を作りやすい人物ですね。」



特子「け!どうせ都会に憧れて、東京の真似でもしてるんでしょ?」



コウ「特さん、何か都会でイヤな事でもあったんですか?今ので確実に読者が何人か減りましたよ。」



カチョー「本当にコロナの天敵が米なのか?」



特子「実際、米の生産が多い東北は感染者がすくないでしょ?

つまり、米を食べている人達にはコロナは感染しないんです。

さっきも言いましたよね。秘密は名前に隠されているって。

『米』をカタカナで書くと『コメ』、コロナを滅するって書くんです!


コロナにとって、コメは鋭いやいばなんです。『コロナ』を『滅するお米のやいば

つまり『コメの刃』…『コメツの刃』…『コ滅の刄』…ね。



カチョー「ね。?じゃね~よ!なんだよその『人気アニメ』みたいなタイトルは?

あ!お前、それが言いたかっただけじゃね~のか?!」



特子「そ、そんなことないもん!」



コウ「特さん、統計的にって、お米の生産量は『北海道』は2番だし、感染者の出ていない『岩手』なんかは10位にも入ってませんよ?」



特子「なにを~!そんな細かい事を言うやつは、こうしてやる~!」



「パタン…」



カチョー「あ!また!」



特子のスマホ「特子~、電話だぞ~。特子~、電話だぞ~。特子~、電話だぞ~。特子~、電話だぞ~。」



特子「ギャ~!!またスマホが~!!!」



コウ「早くパソコンを元に戻さないと、DJ風にしますよ。」



特子のスマホ「特、特、特、ととととと・く・こ・ででで電話電話電話だぞだだだだただぞ~」



特子「何でもします!何でもします!だから許して~!」



「パカッ」



特子「えい!」



「パタン!」



特子のスマホ「ででででで電話電話でででで電話電話…」



特子「ウギャ~!!!!」




こうして、何事もなく『特課』の1日は過ぎて行くのであった。




おしまい





マイ「え~!私達、今回出番無し?」



ミル「次回は私達を主役にしてもらおうかしらね。」



ジミー「フフフ、茶目のラーメンは最高だ。」





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