『私の…」編


特子「ふぁ~~ぁ…、さすがに3日連続で徹夜は眠い…、でも…4月から新しいアニメが始まるから、今期のアニメは全部見ないと…。」


あ、私の名前は『志賀内特子』…ふぁ~~~~…

まあ、いいか…眠いから『略』で…



「ガチャ」


特子「おはやよう……あ…あれ?へ…部屋が…真っ…暗… 」


「ドテッ!!」


カチョー「お!おい!特子!?どうした!しっかりしろ……」



特子「ん?ここはどこ??真っ暗……確か、部屋に入ったら、電気がついてなくて…

カチョー!カチョー!いるんですか~?マイさ~ん!ミルさ~ん!ジミーさ~ん!コウちゃ~ん!!」


神様「ホッホッホ、威勢がよいの~。」


特子「え?おじいさん??なんで?警視庁におじいさんが?あなたは誰?みんなは何処に居るんですか?ここは何処?」


神様「1度に何個も質問をするではない、答えなれないではないか。

少々パニクっておるようじゃから、順を追って説明しよう。

まず『わし』は、お主の言うところの『神様』じゃ。」


特子「神様??おじいさんが?」


神様「ああ、そうじゃ。ここは『生』と『死』の狭間というとこかの。」


特子「生と死の狭間?じゃ、じゃあ、私は死んだって事?」


神様「ちょっと違うな。お主は前に1度死んでおるからの。」


特子「え?!?」


神様「お主は『魔王』の家来に殺されたんじゃよ。」


特子「魔王の家来?プッ、おじいさんたら~、おじいさんもアニメが好きなの?」


神様「信じるも信じないのも、お前さんの勝手じゃがの、お前さんが魔王の手下のドラゴンに襲われた時、たまたま近くにあった、立て看板を脱いて振り回してくれたおかげで、封印されておったわしの仲間が解き放たれたのじゃ。

立て看板が封印そのものじゃったんじゃよ。まあ、お主はそのまま、ドラゴンに喰われてしまったがの。

しかし、わしの仲間を助けてくれたのは違いない。じゃから、お主の魂を呼び寄せ、聞いたのじゃ。「生き返りたいか?」と。

するとお主は「もちろん!生き返りたい!ただし、この世界は嫌だ!ドラゴンや魔王の居ない世界がいい!」

と、言うからの、違う世界に生き返えさせる事にしたのじゃ。

そして、もし、その世界が嫌になって、元の世界に帰りたい時は、『3日間寝ないで我慢しろ』そうすれば、わしが迎えにいって、元居た世界に戻してやる。と、約束しておったのじゃよ。約束は守らんとな。」


特子「ちょ!ちょっと待ってよ!おじいさん!そんな約束覚えてない!おじいさん?おじいさん?あれ?おじいさん?どこ?おじいさ~ん!?…」



トク「…じいさん…さん…」


ミル「あなた!あなた!トクが目を覚ましたわ!」


カチョ「トク!トク!わかるか!?パパだよ!」


トク「…ん…カチョー…なにしてんですか?それにその格好…?」


カチョ「ああ、カチョだよ。パパだよ!良かった、本当に良かった。」


ジミ「トクが目を覚ましたって?!!」


マイ「良かった!一時はどうなることかと…」


コウ「お姉ちゃ~ん!」


トク「え!?み、みんななんで?ここはどこ?」


マイ「トク…まだ頭が混乱してるのね…仕方ないわあんなに怖い目に合ったんだもの…」


カチョ「トク…お前はドラゴンの巣に迷い込み襲われかけた時、たまたま魔王を追い掛けて、この土地に来た『勇者シーチャン』に助けてもらったんだよ。ほら、覚えてないか?幼馴染みのシーチャンだよ。シーチャンが伝説の勇者だったんだ。」


トク「シーチャン……わ、私は…ぐっ………、あ、頭が…」


ジミ「まだムリはしない方がいい…」


マイ「まだ休んでいた方がいいわ。」


トク「は!そうだ!私はこの村の生活が嫌で、村を逃げ出そうとしたんだ…

そして森に迷いこんで、夜になって…洞窟に入ったら……

あ~ん!あ~ん!パパ、ママ!ごめんなさい~!!」


ミル「いいの…いいのよトク…あなたが無事だったのだから。ヨシヨシ……」


村人A「た!大変だ~!!ま、魔王がドラゴンを連れてこの村にやって来るぞ~~!!!」


村人B「は、早くあんたたちも逃げろ!すぐそこまでやって来てる!!」


ジミ「父さん!」


マイ「お母さん…」


カチョ「す、すぐに逃げるぞ!」


村人B「うぎゃ~!!!」


コウ「お姉ちゃん!怖いよ~…」


村人Z「ぎゃ~!!」


トク「だ、大丈夫だから…お姉ちゃんがついてるからね…」


カチョ「ダ、ダメだ!間に合わない…ミル…」


ミル「うん…わかってるわあなた…

ジミ、マイ…トクとコウを頼んだわよ!」


カチョ「俺達が時間を稼ぐ…お前達は裏からにげろ!」


トク「で、でも…パパとママは!?」


カチョ「大丈夫だ!俺達はいつもお前達を見守っているからな…」


ミル「トク…コウ…しっかり生きるのよ…」


カチョ「行け!ジミ!マイ!」


ジミ「父さん…」


マイ「お父さん!お母さん!死なないでね!行くよ!あんたたち!」


トク「パパ~!!ママ~~!」


「ドカッ!!バキッ!!!」


カチョ「ウッギャ~~!!!」


ミル「キャアアアア~!」


ジミ「くそ!あちこちにドラゴンが居やがる…」


マイ「あそこの岩影に隠れましょう。」


ジミ「ハアハアハア…どうするマイ、見つかるのは時間の問題だ…」


マイ「兄さん…この子たちだけでも…」


ジミ「そうだな、父さんと母さんに頼まれたからな…」


マイ「私は右に走るわ…」


ジミ「それじゃ、俺は左だ!

いいか!お前達、兄ちゃんが走り出して、5つ数えたら、あの森まで走れ!いいな!絶対振り返っちゃダメだ!わかったな?」


トク「う、うん…」


ジミ「マイ!行くぞ!」


マイ「うん!」


トク「1…2…3…4…5!コウちゃん走って!」


「ドッガ~ン!ガッシャ~ン!」


ジミ「ぐわわわわぁぁ~~~!!!」


マイ「ぎょえええええ~~!!」


「ドン!」


トク「ハッ!魔王!!」


魔王「フッ、まだネズミが居たのか。」


「死ね!ピッ!」


「危ない!お姉ちゃん!!」


「ズバッ~~!!!」


トク「コウちゃん!!!」


コウ「お…おね…え……。」


トク「コ~オ~チャ~ン!!

よくも、よくもコウちゃんを!」


シーチャン「ブレイブサンダーマウンテンスプラッシュゴールデンアロー!!!!!」


「ドッッッッガガガ~ン!!!」


魔王「な!なんだ!?」


シーチャン「トクちゃん!無事か!?」


トク「シーチャンちゃん!!パパとママが!みんなが!!」


シーチャン「くそ!間に合わなかったか!!」


魔王「貴様が伝説の勇者『シーチャン』か!?」


シーチャン「魔王!!覚悟しろ!ドラゴン達は全部やっつけた!後はお前だけだ!!」


魔王「フン!それはどうかな?」


「ガシッ!」


トク「あ!…」


魔王「少しでも動いてみろ!この女がどうなっても知らないぞ?」


シーチャン「く…くそぉ…」


トク「シーチャンちゃん!私はどうなってもいいから!魔王を倒して!!」


魔王「どうした?早く剣を捨てろ!」


シーチャン「く…」


「カラカラ~ン…」


魔王「フッ…伝説の勇者も大したことないな。」


「ドン!」


「ドッガ~ン!!!!!」


トク「シーチャンちゃん!シーチャンちゃん?!!!

よ、よくも…シーチャンちゃんを…コウちゃんをパパを…ママを…みんなを~オオオオオ~~!!」


魔王「何をする気だ?は?そんな大岩がお前みたいな人間に持ち上がるわけ……な…い…はず…


トク「おおおおおおおおおおおおおおおお~~~!!!」


魔王「な!なんだと!持ち上がっただと!?

は!あれは究極奥義『火事場のバカ力』!!この世界の人間が使えるわけが…」


トク「うおりゃあ~~~!!!!!!」


「どっご~~~ん!!!!!」


「フワリ…」


魔王「フ、フフフハハハハハハハ!!

いくら『バカ力』でもこれだけ高ければ届くまい!」


トク「おおおおおおおおおおおおおおおお~~おおおお~~おおおお~~~!!!!!!」


魔王「な?なんだ?ヤツの髪が上に伸びて来る?しかも固まって鋭い刃のように?

ま!まさか!究極〔秘〕奥義『怒髪天を突く』?

こ、この技は昔『ハンター』の少年が使った技…まさか!他に使える者が居たとは…」


「ドスッ!!!」


魔王「グッ……ガッ……こ…今回は…ま…負けてや…やる…だ…だがいつか…また現れて………。」


「シュゥゥゥゥウ…」


トク「パパ…ママ…ジミお兄ちゃん…マイお姉ちゃん…コウちゃん…シーチャンちゃん………私、これからどうしたら…ぐすっ…」



カチョー「…子…特子…特子!!」


特子「ぐすっ…ぐすっ…あ…パパ…」


カチョー「誰がパパだ!」


コウ「カチョー…いくら娘さんに無視されてるからって、特さんに手を出すなんて…」


ミル「気が付いた?特ちゃん?」


特子「あ。ママも居る…」


ミル「あらら…怖い夢でも見たのかしら。ヨシヨシ…」


コウ「受け入れた…」


ジミー「気分はどうだ?」


特子「ジミお兄ちゃん?」


マイ「お兄ちゃんだって。」


特子「お姉ちゃん…う…う…え~ん…え~ん!みんな生きてる~!!!パパ~~~~!」


「ガシッ!」


カチョー「ったく、どんな夢を見たんだよ…」


ミル「あら、カチョー?まんざらでもない様子だけど?」


カチョー「う、うるせ~…」



私の名前は『志賀内特子しがないとくこ』警視庁でアルバイトをしている。

私が配属された課には、ちょっと変わった人ばかりだ。


カチョー「なあ?特子、もう1回『パパ』って呼んでもいいんだぞ。」


特子「嫌ですよ!」


彼は『敬志壮寛けいし そうかん』56歳、この班の課長だ。


ジミー「『お兄ちゃん』か…悪くないな…」


彼は『次見大須樹じけんだいすき』通称『ジミー』35才、


マイ「私の事、お姉ちゃんだって。」


彼女?彼は『進舞入夏しんまいいるか』39歳一見女性に見えるが、実は『おネエ』だ。


ミル「特ちゃんに『ママ』って呼ばれるのは嬉しいかも。ウフフ。」


私以外では紅一点、本物の女性。彼女は『杏仁目美留あんにんめみる』さん、35才。


コウ「僕だけ変わってないんですけど…」


望樹太陽のぞきたいよう25才、ネット犯罪のスペシャリスト。


「ガチャ!」


将太「と~ちゃんが倒れたって?!」


幼馴染みの『村井将太むらいしょうた』ニューヨーク市警に在籍している、検挙率は全米一の刑事だ。


ちょっと変わった人達だけど、みんな私の大切な『家族』だ!



おしまい



カチョー「なあ、特子?どんな夢を見たんだ?」


特子「しょうがないな~、今、カタルッス。」



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