その2
そのまま順調に月日は過ぎ、螺鈿達は小学四年生になった。
三年生の間にななが転校したり、クラス替えによってこまめという新しい友達ができたりして充実した学校生活を過ごしていた。ある日のこと、クラスで係り決めがあった。といっても生き物係や黒板係などではなく各自で新聞を作ったりなどのレクリエーション的な意味が強いもので螺鈿はもりけんやさとしと共に鉄道係となった。他にはサッカーなど定番のものが多かった。
そして一ヶ月後、鉄道係初の新聞ができた。内容は三人で手分けして、副都心線や都営三田線などについてで、螺鈿はほぼ鉄道オタクの二人に任せてレイアウトなどの細かい仕事しかしてなかったが自分も作った一員だと謎の誇りを持っていた。朝の会で先生に頼んで配らせてもらったとき不意に
「ハッ、くだらない」
という嘲る声が聞こえてきた。螺鈿がすぐその声がした方を向くとサッカーをやっている所謂スクールカースト上位の人たちがニヤニヤとこちらの方を見て笑っているのが見えた。
そして、その次の休み時間にゴミを捨てに行くと螺鈿達が作った新聞が破られ捨てられていた。また、その週の日曜にあった囲碁の大会でそこそこな成績を残した螺鈿は翌日の朝礼で表彰された。
その日から「囲碁するなんておじいちゃんかよ、お前(笑)」と言った悪口や消しゴムを落とされたりなど軽い嫌がらせが始まった。・・・そして、しばらく経った七月の初め彼らが作ったサッカー新聞をいじられる事への我慢の限界がきた螺鈿がけなしたことによってさらにひどくなってしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます