自然には正常も異常もない

嵐の後は静かだというのが相場だった

しかし、嵐は嵐になり嵐が嵐だ


海岸は流木で埋め尽くされ

傾いた家々が不思議な風景を作る

空は赤く黄色く緑だ


星はいちだんと大きくなり

月は黄色さを増した


もうすぐ夜がやってくる


夜になると・・・

雨が降り

風は強くなり

雷がなる


そしてまた地震だ


異常の連鎖


そうは言っても

自然に異常も正常もあるものか


すべては正常か

すべては異常か

そのどちらかでしかないだろう


生命とは正常なのか

生命とは異常なのか


自然科学に正常も異常もない

正常や異常というのは社会的な約束事

社会的な判断にすぎない

そんなものだ


今の目の前の光景は

何となく美しい


ならば

それで良い


悲しくても

嬉しくても

それで良い

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る