第14話 ノーサイドを打ち上げろ
地ビールで乾杯。音頭は年長者の
「
「よくある話です。私の父は私が子供の頃、難病で亡くなりました。当時は適切な治療法が見つからなかった病気です。今では画期的な治療法が開発されて、死亡率は劇的に減っています。私は、私と同じような人が増えて欲しくないのです」
「それは申し訳ないことをしましたな。あなたからすれば、私達が子供のわがままを言っているように思えたことでしょう」
「私こそすみません。頭に血が上っていました。あの状況で、自分が信じているものを裏切るようなことを言ったら、私も一生後悔したと思います。もっと冷静になるべきでした」
「気にされることはありませんよ」
今見ると、
それはそうだ、あそこで冷静を保てるほうが異常なのだ。私は最初で学会発表をしたときと同じく、自分が話したことをあまり覚えていなかった。純ちゃんはすべて政府に報告すると言っていた。恥ずかしいからやめてほしい。
「いやぁしかし、大冒険でしたな、昔の冒険映画を思い出しました」
「大きな岩が転がってくるやつ?」
「あー私がうっかり罠のスイッチ押す係やります」
皆の疲れもあって、打ち上げは早々に、と言っても0時過ぎにお開きになり、皆、自室へ戻っていった。私も部屋に入るとすぐに睡魔が襲ってきたので、身を委ねる。
あくる朝、純ちゃんから今後について報告があった。当面の間はパリキィ氏と政府の間で交渉が行われ、その後結果を我々にも報告してくれるとのことだった。また、1ヶ月後ぐらいに集合するとのこと。今日はこれにて、解散となった。男性陣は、岡山観光を楽しんだ後帰宅するそうだ、元気な人たちだ。
純ちゃんから連絡をもらって2週間。私は私の仕事を全うできたのだろうか。その結果が出るのは2年後だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます