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「なあ彼方。主犯を探すっつっても、宛はあんのか?」

 人の気配のしないシーサイドラインを男女四人が歩く。

「今のところはない。しかし、アンデッドを倒していけばきっと、情報を持ってるアンデッドもいるはずだ」

「そうか? 危ういなぁ」

「あ、でも、さっき戦ったゾンビの中で、遺品の中にそれっぽい情報持ってる人がいました」

「木葉、ゾンビの遺品漁ったのかよ! いや、情報収集には大事なことだろうけどさあ!」

「どんなの?」

「えっと、これなんですけど」

 木葉はスカートのポケットから紙を一枚取り出す。

 四人は立ち止まり、その紙をのぞき込んだ。

「写真?」

「集合写真のようだな。場所は……わからないな」

「白衣を着てるし、科学者かなんかでしょうか」

「なあ汰稀。見たことある顔がないか?」

「ある? どこに?」

 彰男は写真に写る人の中の一人を指さした。

「ほら。ここにさ」

「ん? あ。……え?」

 汰稀は驚いた顔をすると、木葉が汰稀を見て言った。

「誰なんですか? その女性」

「……いや、ありえない。似てる人。そう、そっくりさんだ……」

「おい言え。この少女は誰なんだ?」

「やっぱりあの子か? 汰稀」

 三人が汰稀を見つめるが、汰稀狂ったように独り言を呟き続ける。

「違う……。あいつじゃない。もしくは、この写真は事件とは関係ない。いやでも、あいつがなんで白衣なんか……」

「言え! その少女は誰だ!」

 彼方が怒り、ようやっと汰稀は我に帰る。彰男と木葉が汰稀を見つめているのにも今気がついた。

「こいつは……」

 うつむいて汰稀は、写真の少女について話した。

心湊ここみ。……俺の、妹」

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