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西山いつき

前書き

西山いつきとバスケットボール

◆ただの自分語り回なので読まなくていいです◆


 我輩はスラムダンク世代のおっさんである。名前は西山いつき。

 過去に使っていたハンドルネームと親が再婚する前の旧姓を合体させてペンネームとしたわけであるが、気紛れにエゴサーチなどしてみると同名のAV女優さんがいる事を知って何とも言えない気持ちになった事は記憶に新しい。


 まあスラムダンクに影響された子だったわけでして、中学に上がるやバスケ部に入ったわけですよ。

 158cm67kgのポッチャリくん(極限までマイルドにした表現)で50m走とか学年ドンケツの運動音痴だったくせにね。

 いやまあ体型は変わりました。2年生の4月には165cm60kgに、3年生の4月には172cm65kgに。当時は1990年代。中学生の子たちの平均身長は2018年現在より多少低く、上記の小生の身長でも平均より一回り高いぐらいでした。

 運動能力も上がりました。脚はまあ遅い方ではありますが「学年ドンケツ」から「運動部やってる奴の中では下のほう」ぐらいに。持久力なら運動部の平均レベルに。

 でもね、全然足りなかったんです。

 当時小生が通っていた中学のバスケ部のチーム事情とか、顧問の指導方針とか、今にして思えば疑問を抱くような部分や不利な環境だった部分もあります。もちろん小生の努力や工夫が足りなかった部分だってあるでしょうが、当時は自分なりに頑張っていたつもりでした。自主練習だってやってましたしね。

 ただ、2年生の晩夏、自分たちが部の最上級生になりユニフォームを貰う段になって、自分の序列を思い知らされた事は今でも忘れられません。

 当事のチームは、よくある「4番がキャプテン、5番が副キャプテン、あとは実力順で上手い奴ほど背番号が若い」という方式で背番号を与えていました。

 小生、26番でした。

 ひとつ下の学年の、次期レギュラー候補の子らより後の番号でした。

 それでも3年の夏の大会まで休まず練習してましたけど、ついぞ公式戦に出る機会はありませんでした。

 高校でも懲りずにバスケ部に入りましたが、先輩らが不祥事を起こして部が活動停止になったのをきっかけに辞めてしまいました。


 普通こんな体験をしたら二度とやらんわこんなクソゲーって気分になると思いますが、なぜか小生、三十路になってから社会人サークルでバスケを再開しました。

 中学時代にスラムダンクの三井に憧れ、熱心に練習したロングシュートの技術が15年のブランクを経ても生きていた事は、自分でも驚きでした。

 ひょっとしたら、自分で思っているよりもバスケが好きだったのかもしれません。

 でも社会人サークルでバスケをやると、自分より上手い人、でかい人、運動能力の高い人にどうしても嫉妬心を抱いてしまうし、そういう人に負けると「悔しい」とかを軽く通り越して、やっぱりどんなに頑張っても中学時代の繰り返しなのかとか、自主練習もしてジムも行って、安くない金を払ってコーチに着いてももらってるのにまだ足りないのかとか、挙げ句は「俺より上手い奴は全員敵だ」ぐらいの負の感情が渦巻いてくる。


 そんなに辛いのになんでバスケを続けてるのだろうと言えば、まあ、やはりバスケが好きという点はあるのでしょう。事実、サークル活動の予定は週末の楽しみです。

 でもそれ以上に、きっと未練。

 バスケが好きなのは否定しない。でも、だからこそ未だに一度もちゃんとした試合に出たことがないのも、ここまで頑張ってきた芽が出ないのも納得いかない。このまま「ちゃんとしたバスケの試合」が一度もできないまま老いてバスケができなくなってしまうなど想像もしたくない。

 だから、いい歳こいて未だにバスケに労力を割いています。


 現代所属しているチームでも背番号は26。

 あの時の悔しさを忘れないために。

 バスケがまだできる年齢のうちに、自分を追い込むために。


 西山いつき、30代半ば。

 未だに社会人サークルでバスケを続けつつ、戯れにバスケットボール小説などをWeb上で書いています。

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