第4話「存在しない人間」
第一章4話「存在しない人間」
「ゴブリンってアレだろ? 俺の半分くらいの身長で、肌が緑色で、耳と鼻は尖ってて、鋭い目つきしてる」
ゲームなどで見たままの特徴を並べてみると、リアエルはエメラルドグリーンの大きな瞳に驚きの色を宿す。
「そうよ。そこは覚えてるのね」
「やっぱそうなのか」
もはやここは異世界ではなくゲーム世界なのでは、と疑うほどのRPGっぽさが滲んでいるが、それならそれで足りない要素がいくつかある。
メニューが開けないとか、HPゲージが見当たらないとか、ゲーム世界において最も重要なものが欠けている。
なのでやはり、ここは素直に異世界と捉えておくのが無難だろう。
「そろそろ移動するわよ。まだ近くに潜んでるかもしれないから気をつけてね」
「お、おう」
リアエルは慎重な足取りで移動を再開する。ゴブリンの住処の場所を特定するために、逃げたゴブリンを追わなければならない。
思えば少女の依頼とやらに完全に巻き込まれている。いや、自ら巻き込まれに行ったようなものなので文句を吐くなど筋違いなのはわかっている。
ではリアエルからしたらどうなのか?
詮索はしないと言ってくれたが、どこの誰かもわからない記憶までどこかに落っことした謎の少年をそばに置いておくことに危機感を感じたりはしないのだろうか。
それどころか完全に足手まといになっている。なんでそんな少年を連れて歩いてくれているのか、コウには理解できなかった。
「焚き火の跡だ」
少し草をかき分けて進むと、開けた場所に出て、近くにはキャンプにはおあつらえ向きな小川も流れていた。
ちょろちょろと川のせせらぎが心地よく、もしコウがキャンプをするならこの場所に即決するような絶好のポイント。
「さっきのゴブリンがここで食事をしていたのよ」
雑に水をかけて消化された薪はまだ熱がこもっていて、一部は赤く脈を打つように光りながら煙を吐き出している。すぐ近くには草も木も生えていないので、よほどのことがない限りは燃え広がって火災になるようなことはないだろう。
側には木の枝に突き刺さった焼き魚が三本ほど転がっていた。
ゴブリンが何を食べるかなど今まで気にしたことはなかったが、食生活は人間とあまり変わらないようだ。
〝よし、焼けたぞ。さあ食え!〟
〝わーい!〟
〝やったー!〟
頭痛と一緒にあのとき聞こえてきた会話が脳裏にこびりついて離れない。
子供ゴブリンは、はしゃぐように楽しそうだったし、父親ゴブリンもきっと喜んでくれて嬉しかったに違いない。
コウも小さい頃から親と一緒によくキャンプに連れて行ってもらったからわかる。そのときの記憶と、ゴブリンのやりとりがどうしても重なってしまう。
分厚いベーコンを炭火でこんがり焼いて、フォークでブッスー! そのままガッブー! と齧りついていたっけ。ワイルドで、笑いの絶えない、和気藹々とした『3W』な家庭だった。
だから、少女が言っていた『一匹残らずやっつけるのよ』という言葉の真意を確かめずにはいられない。
「……ゴブリンって、どんなやつなんだ?」
唐突なコウの問いに、リアエルは小首を傾げる。
「さっき自分で言ってたじゃない」
「見た目の話じゃなくて、性格とか、そういうの」
コウの質問の意図が掴み切れないリアエルであったが、一般常識としてゴブリンの性質は人間に広く知れ渡っている。
その一般常識がごっそりと抜け落ちているコウのために、リアエルは教えてくれた。
「すばしっこくてズル賢い、とても危険な種族よ」
「そう、なのか……?」
家族団欒としていたゴブリンが、危険な種族? 人間となんら変わらないことをしていたのに?
リアエルは落ちている焼き魚を拾い上げ、なんの変哲も無いただの焼き魚であることを確かめる。
「魚に貫いたような痕がある。釣ったんじゃなくて、
他に何かないか周りを見渡してみるが、これと言ってゴブリンの所有物らしき物は見当たらなかった。
「きっとさっきのゴブリンは子供に狩りの仕方を教えていたのね」
森に暮らす種族なら、食料の調達方法やこの森に関する知識などを仕込んでいたのかもしれない。魚相手に練習すれば、道具の使い方を覚え、上達を図りつつも食料の調達ができる。無駄のない合理的な教育方法だ。
リアエルの予想も一理ある。そういう見方もできるかも知れない。
けどやはり、コウには違うように思えた。
「……普通にキャンプをしに来ただけじゃないか? あんなに楽しそうだったじゃないか」
「楽しそうだったって——そんなのどうしてわかるのよ」
「声は聞こえたから。それから頭痛が来たから……」
「ふーん?」
リアエルは目を細め、コウのやるせないような表情を眺める。小さく息を吐き、ゴブリンが逃げていった方向に眼差しを向ける。
「まあいいわ。手がかりが消えないうちに後を追うわよ。キミの言った通りの方角に逃げていったから、多分ここからそう遠くない」
白いローブを翻し、歩き始めるリアエルを追いかけ、僅かに躊躇しながらもコウは背中に問いかける。
「『一匹残らずやっつける』ってのはその……殺すってことか?」
「………………そういうことになるわね」
沈黙の後に返ってきた言葉には、今までに感じたことのないほどの重みが込められていた。
その重みの正体は——覚悟。
まさか冗談でもなんでもなく、本気で『殺す』なんて言葉を聞く日が来るなんてコウはこれっぽっちも思わなかった。
現代社会に生きる若者が使う『殺す』にどれほどの『覚悟』が含まれているかなど考えるまでもない。いたずらに言うことはあっても、それを実行に移す馬鹿など日本にはまずいない。
——だがここは異世界。
殺すと言ったら、本当の意味で『殺す』なんだ。
食用に育てられてきた家畜とは違う。
意思があり、文化があり、家庭がある存在を殺す。
その事実を、果たして少年は受け止め切れるのだろうか。
答えは『否』だった。
「つまり、そういう依頼ってこと?」
「ええ。最近近くの村によく現れては畑なんかを荒らしていくからなんとかしてくれって話よ」
「え、ちょ、ちょっと待った。それじゃ話が違わないか?」
コウは聞き逃さなかった。微妙なニュアンスの違いを。
「話が違うって……どういうことよ?」
リアエルはコウの言っている意味がよくわかっていないようだが、これはリアエルの早とちりなのか勘違いなのか、とにかく話の解釈に差異がある。
もしかしたら、という可能性がコウの脳裏を過った。
「一字一句間違いないか? 『なんとかしてくれ』って依頼なんだよな?」
「ええ、そうよ」
言いながら腰の高さの段差を登るリアエル。
白いローブの丈が長いから後ろに立っているコウにアレが見えてしまうようなことはないが、なんとなく気が引けて視線を逸らした。念のためというやつだ。
結構な距離を歩いてきたので、いつの間にか周りは徐々に草木の数が減ってきて、砂地や岩場が目立つようになってきた。とはいえ、あくまでもここは森の中なのでまだまだ木々の方が多い。
遥か上空から見た限りでは地平線まで緑色で埋め尽くされていたので、これは森から出ようとしているわけではなく、緑色からひょっこりと顔を出した茶色——つまりは岩山に近づいている証拠。
肯定するリアエルに、コウは視線を逸らしたまま提案する。
「だったら——え」
逸らした視線の先。約20メートル。
木漏れ日にチカチカと反射する光が目に止まった。茂みから僅かに頭が出た鈍色の尖った煌めき。
——弓矢。
そう思った瞬間に、コウの体は勝手に動いていた。
「危ないっ!」
「きゃっ?!」
段差を登りかけているリアエルのローブの裾を掴んで力一杯に引き寄せる。
構えていなかった彼女は小さな悲鳴の尾を引かせながら簡単に背面に倒れていく。
その過程で目の前を矢が猛スピードで通り過ぎ、風と数本の髪の毛を切っていくのを、リアエルは見逃さなかった。
しっかりと体を受け止めたコウはリアエルを地面へ倒すように手を離し、自らも地面に伏せてとにかく姿勢を低くする。
「乱暴でゴメン! もっと頭下げて!」
「わ、わかってるわよ!」
茂みに身を寄せて体を隠し、頭を低くすることで飛び道具の命中率を下げ、致命傷を避ける。
弓矢を相手にしたことはないが、サバゲーでエアガン相手に立ち回った経験ならある。
一見役に立たなそうなことでも、経験しておくものだ。
(どこ?)
(向こう。25歩くらい)
声を潜め、短く聞いてくるリアエルにわかりやすく簡潔に答えるコウ。
何時の方向の何メートルと答えたほうが伝えやすかったのだが、それで伝わるかどうかまだ定かではないので、適切な判断と言えよう。
しっかり伝わったリアエルはわずかに頷き、覚悟を決めたかのように表情を硬くする。
(手を出して)
(……? こう?)
考えている暇はない。言われた通り手を出すと、リアエルはそっとその手を取り目を瞑る。
すると、風の流れが明らかに変わったのがわかる。自分の周りにまとわりつくような、目には見えないが確かに周囲に渦巻く感覚。嫌な感じはしない。それどころか、スカイダイビングから助けてくれたときのような暖かさすら感じる。
女の子に手を取られる経験があまりないコウはドギマギしてしまう。
(えっと……?)
(〝矢除けの
(なにそれ便利!)
(ある程度距離がないと機能しないから気をつけてね)
(了解)
矢の軌道を逸らせるならBB弾くらいの軽い弾なら難なく弾けそうだな、などと現実世界に想いを馳せるコウだが、今はそんなことをしている場合ではない。
姿を目視することはできなかったので断言はできないが、相手は恐らくゴブリンだろう。先ほどの家族ゴブリンかどうかは定かではないが、住処が近い可能性を考えれば別の個体であることも充分考えられる。
(どうする?)
二人だけの即席パーティーの先導を切っていたのはリアエルだ。戦える力を持っているのは彼女だけだし、つまりはリーダーなので、指示を乞う。
考えるのも一瞬で、リアエルはすぐに判断を下した。
(位置がわかってるなら一気に近づいて倒す)
(それ反対)
(はぁ? どうしてよ?!)
あっけなくリーダーの判断を拒否るコウ。
二人だけのパーティーということは、副リーダーは彼だ。リーダーに意見できるのは副リーダーだけなのだ。
という暴論で、とにかく理由を説明する。
(おおまかな位置がバレてるのはお互い様。でもこっちは二人、向こうは複数の可能性が高い。迂闊に動かないほうがいい。矢を放ってこないのは、見失ったか警戒してるか。だから今のうちに作戦会議)
今なら〝矢除けの風守〟が発動しているので、当てずっぽうに矢を射ても当たることはないだろう。下手に動いてはより正確な位置がバレてしまうし、
(そもそも、どうやって倒すのさ?)
見たところ少女は手ぶらだ。コウのようにショルダーバッグを肩にかけているようなこともない。つまりは丸腰状態ということなので、武器がない。
(これよ)
リアエルは懐に手を突っ込み引き抜くと、その手にはナイフが握られていた。
刃は向こう側が透けそうなほど極端に薄くて、淡く緑色に煌めく、どこか神聖さを感じさせるナイフだった。
(ローブにたくさん仕込んである。キミも念のため一本持ってて)
(お、おう。ありがとう)
コウも武器を持っていないので、もしものときはこれで護身しろということだろう。
手渡されてわかったことは、持ち手が無く、切っ先から柄尻まですらっとした美しいフォルムのナイフということ。
——まさかの投げナイフだった。
某TUBEで投げナイフを投げる動画を見たことはある。
確か手のひらにすっぽりと納めるように柔らかく持って人差し指を峰側に添え、ウルトラ戦士セブンのように投げていたような気がしなくもない。投げる際に背中を撫でるように人差し指を滑らせるのがコツらしい。そうすることによって回転力を調整し、切っ先がちょうどターゲットに突き刺さるようにするのだとか。
と、知識で知ってはいても、実際に投げたことなどあるはずがない。お遊びで園芸用の小さなシャベルを雪だるま相手に投げて遊んだことはあるが、そのような感覚でいいのだろうか?
(まぁなんとかなんだろ。刺さりゃいんだ)
これを投げるような事態にならないのが最善ではあるが。
それに、言葉が通じるのであれば話し合いでなんとかなる可能性だって残っている。ほんの僅かで、あって無いような可能性であったとしても、可能であるならば平和的な解決へどうにかして導きたい。
コウは幼い頃に観たホラー映画がトラウマで、グロテスクなアレコレはとにかく避けたいのだった。
(作戦に変更はないわ。行くわよ!)
(ちょちょちょちょ?!)
コウの制止を聞かず、その場に勢いよく仁王立つリアエル。凛とした立ち姿に思わず見惚れてしまいそうになるが、
いつの間にかリアエルの両手には投げナイフが八本握られていた。片手に四本、指に挟むようにして持っている。コウの知っている持ち方とは全く違う。
そんなんで当てられるのかよ?! と心の中で突っ込んでいると、リアエルはそれを無造作に全て上空へ放り投げ、コウが指差した方向、約25歩のところへ手を差し向ける。
「翔べ!」
気合い一声。
放り投げられ、リアエルの頭上でクルクルと回転していたナイフが風を纏い、まるで意思を持ったかのように狙い定めたところへ一斉に飛翔する。
(そうか、風で操ってるのか!)
極端に刃が薄く設計されていたのは、切れ味や携帯性のためよりも、風で操りやすくするための軽量化が一番の目的だったのだ。
勝手に『葉っぱカッター』と名付け、茂みへ吸い込まれていった八本の投げナイフは狙い通りゴブリンに命中したのか。
……茂みからの反応はない。
コウは投げナイフをすぐに投げられるように握りながら息を潜め、周囲の警戒をしつつリアエルを見守る。
もし本格的に戦闘になったら、邪魔になることはわかりきっているので、身を潜めやすそうな巨木に目安をつけておくことも忘れない。
リアエルは足音を殺すようにそっと茂みを迂回して確認すると、目を見開いた驚きの表情で固まった。
「いない……?!」
全てのナイフが綺麗に地面に突き刺さっていて、ゴブリンがその場にいた跡など欠片も残ってはいなかった。
まさかコウの情報が誤ったものだったのかと疑う暇もなく、この森のハンターが隙を見せた獲物を見逃すはずがない。
——ヒュン……!
狙い違わず放たれた矢はリアエルの側頭部へ一直線。貫かれる直前に〝矢除けの風守〟が発動して軌道が逸れ、地面に突き刺さる。
もし加護を使っていなかったら、今頃落ち武者(美少女)の出来上がりだ。
リアエルが死角から放たれた矢に気を取られている間に、コウは狙撃手の位置を矢の軌道を逆算して特定。
相手はやはりゴブリンで、樹上にいた。
緑色の肌という特性を生かして葉の緑色に紛れ、かなりのカモフラージュ性を発揮していた。これに地の利とすばしっこさを足したら、素人では歯が立たなかっただろう。
「そこダァッ!!」
射線は通っている。コウはいつでも投げられるようにしていた投げナイフを樹上のゴブリン目掛け思い切り投げ放つ。
猛烈な回転がかけられた投げナイフはもはや手裏剣と言ったほうが正しいような飛び方で、しかし真っ直ぐにゴブリンへ吸い込まれていく。
[ゴアァ?!]
ゴブリンは避ける素振りすら見せず、側頭部にヒット。
向こうのカモフラージュがなかなかのモノでも、見つけてしまえば意外と見えるもの。そしてこちらの投げナイフだってなかなかのカモフラージュを発揮している。森の中では目立たない淡い緑色に、暗器のごとく薄い刃。
風切り音すら立てずに飛ぶ刃物はまさに凶器だった。
「くそっ!」
悪態をつきながら、コウは落ちていくゴブリンに向かって全力疾走。
とっさのことだったとは言え、投げてしまった。当たってしまった。そんな後悔にも似た感情に支配されながらも、コウはしっかりと見ていた。
当たったものの、刺さらずに弾かれる投げナイフを。
回転がかかり過ぎて、刃ではなく柄側が当たってしまったのだ。
「おいしょおおおおおい!!!」
樹上から地面に落ち、衝撃に呻くゴブリンに飛びかかり、拘束を試みる。
初めて見るゴブリンという異世界代表的な存在に怖気立ちながらも、怯みそうになる心を震わせて果敢に立ち向かう。
膝で背中を押さえつけ、両手首を掴んで体重をかけて地面に固定。
体は小さく、まるで子供を押さえつけているようだが凄まじい抵抗力を見せる。こんな小さな体のどこにそんな筋肉が隠れているのか恐ろしくなるほどだ。
だが体の大きさと重さはこちらが勝っている。マウントさえ取れれば押さえつけることは難しくない。やんちゃな弟相手によくやっていた。
[離せニンゲン! 切り刻んでやる!!]
殺意の込められた鋭い眼光を向けられて、心臓が一気に縮んで血の気が引いていくのがよくわかる。
それでも彼は力を緩めない。緩めたら、本当に切り刻まれてしまうと確信が持てるほどに、瞳の中には憎しみが激しく渦巻いていた。
[落ち着け! 俺たちはこれ以上危害を加えるつもりはない! 話を聞いて欲しいんだ!]
[戯言を! ニンゲンと話すことなどなにもないわ!]
[おいっ! 暴れんなって!]
怒りに我を忘れてこちらの言葉などちっとも耳に入っている様子はなく、激しく抵抗を続けるばかり。
「キミ! 大丈夫?!」
慌てた様子で遅れてやってきたリアエルに視線を向ける余裕もなく、コウは押さえつけることに集中する。
「俺は大丈夫だから周囲を警戒してくれ! いても攻撃はしないでくれよ?!」
「え? でも……」
「いいから!」
「わ、わかったわ」
コウの圧力に押されて頷いたリアエルは視線を周囲へ巡らせる。
[どけ!]
[どかない! 落ち着いて話ができるようになるまでは!]
「え……?」
コウとゴブリンの言い争いを耳にして、リアエルは目の前の現実を疑った。
「キミ、ゴブリンの言葉を話せるの……?!」
ゴブリンと対話できる人間など、この世界には存在しないのだった。
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