第191話 分厚過ぎるカツ丼で思い出した話

 料理漫画と言えば色々なものがある。


『美味しんぼ』みたいな環境問題などを取り上げたようなもの(好きじゃないけど)からラーメンや寿司に特化したものまで多種多様だ。


 その中でも『美味しんぼ』に次いで有名なのは『ミスター味っ子』だろう。


 学生ながら奇抜な料理アイディアで大人を負かす。


 その初回。


 肉の厚さが私が持っている国語の辞書(小学生のころ使っていた)ぐらいのカツ丼が出てくる。


 今、改めて考えると「どうだ?」と思う。


 高温で表面を固めて低温で中まで火を通す。


 実際にカツを作った方なら分かると思うが、生肉に火を通すというのは実は結構時間がかかる。


 今でこそ唐揚げなどで二度揚げは珍しい事ではないが当時は斬新だった。


 ただ、「では、食べよう」と思うか?


 実は人間のこめかみの筋肉は進化の途中で硬いものが受け入れられない体になっていく。


 理由は火を使えるようになり煮炊きをして固く消化しにくい穀物類を柔らかく食べることによりあごの骨と筋肉が縮小し、逆に脳は肥大化した。


 確かに、肉汁たっぷりで食べごたえはあるだろう。


 こめかみがかなり痛くなるだろうけど……


 何かの料理番組で「理想のカツの厚さはせいぜい三センチ程度。これ以上になると生焼けになる」ということを聞いた。



 あと、これは全く好みの話だが世の中には玉ねぎ(時々長葱)を醤油と砂糖(あと、出汁)で軽く煮て卵でとじるカツ丼(私は卵カチカチ派)とソースに浸したカツを玉ねぎの代わりギャベツを敷いた丼に乗せたカツ丼もある。


 そう言えば以前、池波正太郎の真似をしてカツをソースでびしゃびしゃにして冷蔵庫で一晩おいて食べたことがある。


 感想。


「うん、カツサンドのカツの味だ」


 ソースとご飯の相性は結構いいのでご飯がすすむ君状態であった。


 あ、私はカツ丼なら卵派です。


 でも、時々上に乗っているグリンピースの意味が分からない。

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