第190話 『発達障害が治る』薬はない! 患者がやるべきことは
これも、愚痴っちゃあ愚痴。
約八年間、精神病院に通い、今でも通院しているが、見ていると二つのタイプがいる。
一つは情報なども適当に普通に、適度に休憩を入れながら復職などに向けて努力している人。
もう一つは逆に大量の情報やメモを取るのに一向に前に進もうとしない人。
もちろん、個人差や思考だって個別だから一概に「はい、頑張りなさい」というわけではない。
私の場合、ほぼ心が死にかけ状態で今の病院に出会い、最初に言われたのは「休め」「他人に任せろ」という言葉だった。
最初はかなり抵抗した。
実際、他人に自分の抱えているものを見せるまで出来るようになったのはここ一、二年での話である。
それほど、私の心は疲弊していた。
もちろん、私ばかりではない。
周囲の人間だって頭を抱える。
色々抱え、悩み、考え……私の脳は爆破した。
具体的に言うのなら鬱状態に入り、全てできなくなる。
よくニュースなどで鬱状態の子供を見て親が悲観し、一家心中を図るという痛ましい報道がされる。
実際、SNSなどを見ていると「〇〇という諸費君を食べれば軽減」とか「△△という人を師事すれば治る」みたいなものが時々出てくる。
今は広告などにも法律があるから昔みたいに『絶対治る』のような強烈なコピーこそないがそれでも、復職などを目指し限界に来ている家族には魅力的な言葉が躍る。
医療は日進月歩で確かに鬱やADHDに対する研究や薬は進んでいる。
ただし、「はい、これ一錠飲んだから治った」というのはない。
目下の現状は「症状を和らげて考えなどをまとめやすくする」ことだ。
医学などを敵視する人は「薬で人格が替えられた」というが、それはその人の本性が出ただけで、今まで自分の思考や思い込みに苦しんできたのだ。
医学、科学は確かに強力な助っ人にはなるが、心の病気を治すにはひたすら「ヒット&エラー」の繰り返しなのだ。
それは、ほかの健常者の人生と変わらない。
それを覚えて応用が出来るまで我々、精神障碍者は少し、というか、めちゃめちゃ時間がかかるだけだ。
他の誰も、親も、兄弟も、友達も、先生も、誰も助けられないことだ。
いくら優秀な医者や薬があっても言うことだけを聞いて内々に閉じこもれば病気は悪化する。
どんな名著もどんなユーチューバーでもどんな先生でもあなたが心をさらさないとただの本であり人である。
自分の病気と向き合い、よりよい人生にするためにあなた自身が前に踏み出さないといけない。
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