第187話 私が障碍者が大嫌いなわけ、の続き

 小説家になるためのアドバイスを色々な人が色々と言っている。


 その中で印象にある一つの言葉。


「もしも、専門職を書くのなら、その本業の人と対等に話せるぐらい調べろ。医者が登場人物にいれば本物の医者と対等に話せるぐらい調べて頭に叩き込め!」

(でも、実際問題。私もいくつか医学書を持っていますがお値段が高いうえに用語も出てきて大変です。なお、初めて買った医学書は高校時代に専門書店で買った痔の本)


 実は一話前の『私が障碍者が大嫌いなわけ』で「これは、メディアの悪意ある切り取りであり本人は差別の意識などはない」といった内容の言葉をもらった。


 確かにメディア、正確には新聞社や放送局の意図で白が黒になり黒が白になることは多々ある。


 だが、忘れたくないのは視聴者・購買者(私も含め)ネットなどの発達で『真実』というものに辿り着けると安易に思い込んでいることだ。


 以上のようなことを私は作家たるもの熟知していないといけないと思う。


 最近読んだ本で、ある博士がこんなことを書いていた。


「昨今の学生に語り合うと驚くが、彼らが世の中に対して異常なまでに『善』というか、都合のいいように思い込んでいる。世の中は、そんなにクリアカットにできるほど単純ではないし、それを学んでいるのに『自分だけは特別』などと思っている」


 ある意味、作家とは別の見方をすれば社会学者で哲学者で心理学者なのかも知れない。

 

 ただ、一つだけ彼女が世の中の障碍者は「絵が上手い=芸術家」という世間の変な思い込みを少し減らしたように見える。


 たぶん、山下清画伯の影響だろう。


 

 もちろん、彼女が本当に世に問いたかった『障害者(または、その親など)にとって文学に触れる機会を増やしてほしい』という願いは分かる。


 でも、障害には様々ある。


 多動や強度行動障害などは「何かを壊したい(自分の意のままに世の中を操りたい)」という思いからページや表紙に大ダメージを与え、最悪修復不可能なまで破いたり逆に返却しない(自分のお気に入り)ようになる。


 実際、図書館は本がぎゅうぎゅうの本棚があり通路は狭い。(児童図書館などは、子供用なので広いが)

 

 最初の『WONDERFUL WONDER WORLD』を書いていた時は資料集めで図書館には頻繁に通っていた。


 平日でも駐車場は混んでいて衝突の危険なんてしょっちゅうあった。


 車以上に怖いのが子供や障碍者だ。


 とにかく、奇声を上げたり、走り回る。


 自分は大量の本とCDを持っている。


 親も追いかけたり、「だめだよ」というが無駄だ。


 もっと厄介なのは自動貸し出し機を興味本位でいじりまくってフリーズや機能を停止させてしまう。


 その度に多忙な職員が呼び出されマニュアルを見ながら直す。


 その直後にガキどもはやってくる。



 私は全ての障碍者や子供に「図書館に来るな!」というわけではない。


 ルールやマナーをちゃんと学んで出来るようになったら来てほしいと思う。


 ちなみに、私が心の病院に通っていた頃に行っていた図書館は『高崎市立図書館』というもので元々は別の場所にあったものを『総合保健センター』という建物の五階と六階にある。


 駅から私の足でも歩いていけるし(荷物が多くなければ)、バスも出ている。


 中もエレベータを完備して床もフラット。


 目的の本があるのなら司書さんに頼めば探して持ってきてくれる。



 件の受賞者は、何を知っていたのだろう?

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