第177話 呪われた「祝福の才能」の話
時々、ギフデットという言葉を耳にすることがある。
ある才能が子供のころから優れ、海外では、これが認められると小学生でも大学へ飛び級するほどものだ。
学費などは国などが大々的に補助金を出し、免除されることもある。
ただ、この祝福された才能は万能ではない。
あまり話題にはならないが、ギフデットは私から見れば脳の機能障害だと思う。
実際、鳴り物入りで小学校からいきなり、ほぼ大人同然の大学生の中に入って虐めや考え方の違いなどから引きこもりや小学校へ戻ることがままあるらしい。
人間は勉強だけで学校に行っていない。
様々な人間関係やトラブルを経験し、失敗を繰り返して、それこそ勉強で培ったことを生かしながら将来を決める。
日本の教育現場の問題として親も子も先生も「成功体験を沢山させて自己肯定感を高めましょう」というロクに教育現場にも言ったこともなさそうな大学教授やタレントが我が物顔でいったことを真に受けて疲弊している。
かのブッタは身分制度があった時代の王族に産まれ、父である国王からありとあらゆる贅沢をさせてもらった。
だが、ある日。
外出した際に、死にゆくものや病に苦しむものなどを見て現実世界の厳しさを見せつけられた。
王家を捨て修行者になり、苦行をして、何度も何度も失敗して、ようやく悟りを開いた。
悟りにいたるまで長い時間苦しみ悶えた。
今の教育は「はい、仏教の経典はこれね。はい、暗記しましょうね」と答えを先に出している。
確かに苦しまないだろう。
悶える必要性もない。
でも、子供は意味は分からないだろうし、実感もないだろう。
私は色々な本と出会い、本に助けられて、今まで生きてきた。
嫌なこともあったけど、かつ、忘れてないけど、神様がギフデットくれなくてよかったぁ。
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