第167話 『世界を広げる』ということ

 子供の頃。


 ロクな思い出がない。

 虐められっ子だったし、発達障害も世にほとんど出ていなかった時代。


 ただ、強いて「よかった」と思うものに読書と大人との付き合いがある。


 今、登校拒否から復学する場合、まずは体のリズムを整えるために保健室からスタートする場合が多い。

 

 私の場合、登校拒否はしなかったが虐められていたが聖域があった。


 図書室と職員室である。


 そこでは安全が保障されていた。


 特に職員室は(今では信じられないだろうが)煙草を吸う教師も多く、色々な先生がいた。


 そこでは生徒に見せないズルい先生、人気はないけど優しい先生、くずな先生など色々な先生を見て教科とは別の勉強になった。


 また、当時は時代劇小説にハマる前後も色々な本を読んでいた。

 大人向きに書かれた本も何冊か読んだ。


 そこから虐めっ子の世界を見ると実に幼稚で馬鹿馬鹿しい、何の魅力もない世界だった。


 反発心もあったけど実社会に出た時、それらは様々な歯車になり、色々あって最近、ようやく組み合わさり動くようになった。


 昨今の迷惑動画などを見るたびに思うことは、彼らの世界がとても幼稚で狭い世界しか知らないことだ。


 昔は、それを咎める文字通り「ご意見番」と呼ばれる人物もいたが、彼らのほとんどは鬼籍に入ったか情報化社会に取り残されている。


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