第162話 やっぱり、野球は面白い!

 昨今、スポーツ。

 こと、野球は特に社会から非難されていた。


『巨人の星』以前からスポーツは「勝つ」ことが主要命題であった。


 しかし、それは逆に言えば、選手たちに過剰なまでの重圧をかけ、時に自殺者などを生み、暴力指導も見逃されていた。


 だから、私はスポーツが嫌いだった。


 特に日本対韓国は国のメンツをかけているから余計辛かった。

(勝って良かったけど)


 その翌日の対戦相手はチェコであった。


 チェコは野球の普及率が日本よりかなり低く、実際、野球選手だけでは生活が出来ず兼業していて金融アナリストや電気技師などバラバラだ。


 誰しも思っただろう。

――これは子供と大人の試合だ。


 でも、この試合を見た時。

 チェコの選手が唯一日本に勝っているものがあった。


 試合を全力で戦い、楽しんでいる。


 確かに国を背負っているとかあるけど、日本のレベルの高さに驚き、敬意を持っていた。

 

 同じ野球選手でもある日本もそれに呼応した。


 全力を出して楽しむ。


 この単純で難しいことをこの試合は見せてくれた。


 また、チェコと戦うことがあれば、いいな。









































 ただ、チェコの選手よ。

 やたら、唾を垂れ流すのは辞めてね。

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