第140話 チャンスは何処にある?

 人は私のことを「博学」「ものしり」「おたく」などという。

 特に文系でありながら理系の知識も多少持っているため文学書を読んでいてツッコむこともある。


 原因の一つは我が師匠である原幌氏の影響である。

 私より博学であり科学的見地を持っている。

 

 もう一つは子供の頃に見た科学番組だ。

『ナレーションに恋をして』に登場した高田祐司氏のナレーションを何度も聞いて覚えたに過ぎない。

 ことわざでいう「門前の小僧 習わぬ経を読む」という奴だ。

 ただ、ここで私の思考のベースは出来た。

 人間、何かを覚えれば、それを知りたくなる。

 幸い、そういうことに父が詳しかった。

 もっとも、物理や電気工学に詳しくても自然などはダメだった。

 特に伝承系、例えば「夕日が赤ければ明日は晴れ。夏だと真夏日」などという昔からの知恵みたいなものは農家出身の母がスーパーの帰りなどで色々教えてくれた。

 小説を書き始めれば、物語上、銃やスーツ、医療や世界情勢まで考えないといけない。


 だから、調べれば調べるほど世界の広さや大きさに驚かされる。

 

 書店に行くと社会的・経済的に『成功者』になるためのマニュアルや本がたくさんある。


 正直に書くと馬鹿馬鹿しい。


 人間の未来と言うものは次の一秒でさえ分からない。


 明日、あなたは著作が注目されて時の人になるかも知れない。

 明日、私は心臓まひで無念の死を遂げるかもしれない。

 

 テレビなどで言う多くの成功者(特にユーチューバー系)とは言い変えれば過去の栄光に縋って飯を食ってテレビや講演で昔話をしてチヤホヤされて、それが忘れられなくてケツの穴までみせる痴れ者である。


 では、本当の成功者とは何者で、そのチャンスをどこで手に入れたか?


 恐れなく書くとすれば、それは偶然であり、その偶然と出会うために何度も何度も失敗をした人間である。

 目論見通りに世界は動かない。


 チャンスに出会うために何倍もの失敗をする勇気が君にあるだろうか?

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