第138話 才能か、努力か、時間か?

 私は四十代。

 小説を書き始めたのは、体裁などを考えると中学あたりか、になる。


 元々はアニメが好きで「これとこれを混ぜ合わせればもっと面白くなるのにな」という妄想が根底にある。

 そこに自分が得た知識や言葉などの枝葉をつけている。

 だから、ファンや知識のある人が見れば「あ、もしかして、あれのことか?」と分かるかも知れない。


 小説を書いていることは秘密にしていたはずだが、気が付いたら、家族にばれていた。

 母が言う。

「お前の才能だね」


――そうだろうか?


 私は自分の文章が上手いとは思わない。

 むしろ、わが師である原幌氏など上を見れば際限がない。


 努力はしているつもりでいるつもり。(仕事は仕事モードで働いております)

 でも、これも上を見れば際限なく、師匠には「読み込みが甘い」と指摘されることもある。


 長々やっている『趣味』だ。

 いつか、『本職』で食べていけたらいいが、現実は甘くないことも生きていて分かったことだ。

 筆を折った友人たちを何人も見てきた。

 仮に私から「執筆」というものを抜き取ったら、どんな人間になるのだろう?

 ある陶芸家が言っていた。

「やり続けた人間が勝つ。才能があっても努力をしても、それを表に出さないと意味はない」


 時々「毎日が同じことの繰り返しだ」と嘆く人がいる。

「だから、アイディアが出ない」

 それは違うと思う。

 日々、自然も人間も変化する。

 そこから、好奇心を生やし考える癖をつける。


 小説を書き始めた、諸氏への手紙。





 私も他人のこと言えないけど。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る