第113話 京アニ放火から2年

 この記事を書くのも四回目になる。

 

 二年が過ぎ、人々の目は相変わらずカメレオンのように忙しなく動く。

 あの、『青木』こと青木容疑者は皮膚移植が成功し生きて調査を受けている。


『俺の小説をパクりやがって』


 この言葉にどれだけの小説家、および、その卵が恐怖するだろう?

 先日、一話打ち切りというとんでもないことになった某漫画の作者たちもどう思うのだろう?


 最近、思うことだが「いつから、『好き』はコレクションになったんだろう? ブランドになったのだろう?」


 私は柴田錬三郎も池波正太郎も夢枕獏も菊地秀行も好きだ。

 漫画も好きだ。

 テレビゲームも好きだ。

 でも、コレクターじゃない。

 また、距離の取り方も違う。

 それを「○○先生のファンなんですよね」と言われると正直、焦る。

「私、ちゃんとしたファンじゃないんです!」


 これなら、まだ、微笑ましい。

 単に読んだという事実だけが欲しい作家、読者のなんと多い事か……

『読んだ』という行為自体が始まりであり、そこから心の交流や技術を磨くことが始まる。

 だけど、最近は、その途中を抜かして「はい、プロ作家デビュー」とか「書籍化決定」「アニメ化決定」を目指す。

 なぜに、成功イメージしか持てないのかね?

 落選する可能性のほうが大きいのに……

――明るい未来をイメージしましょう

 などという耳障りのいい教育の成果だろう(←皮肉)。


 今や裁判の様子すらニュースにならない昨今。

 どうか、天に召された魂に安寧の時がありますように。

 どうか、罪を犯した者には、それなりの罰が下りますように。

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